【連載】初歩からわかる看護研究

Step3 【看護研究】あなたの「問い」はどの研究にあてはまる?

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

前回、「問い」のタイプと研究デザインについて説明しました。では、あなたの「問い」はどのタイプに当てはまるのか、見てみましょう。


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どのようなタイプの「問い」なのかを突き詰める

自分の問いがどのデザインにあてはまるか判断がつかないときは、下のチャート(図)に沿って考えてみてください。

研究デザインを決めるヒント

まず、あなたの「問い」では「その問題について何があるのか予測できますか?」もし、「全くわからない、そこに何があるのかもわからない」のならばType1の因子探索研究です。「何があるのか多少は予測できる」なら、右へ行きましょう。次の質問です。

「知りたいことはその問題を解決する有効な手段についてですか?」。何かをする手段ではないのなら、左の「いいえ」に進んでください。

では「その問題について知りたいことは「内容やその程度」、例えば退院時の不安や患者さんのセルフケアの状況、あるいはどんな人がどのくらいどう思っている(している)のかを知りたいのでしょうか? そうであればType2の実態調査研究です。

「なぜ」起きるか、原因を探るタイプの研究

それとも知りたいことは、ある現象(結果)が起こっている原因でしょうか? なぜ起こるのだろうという「問い」について原因がいくつか挙げられるならば、Type3の関係探索研究です。原因をひとつに絞ってそれがある人と、ない人を比較したいならばType4比較型研究です。

Type2~4の3つの研究デザインは、少し似ています。区別のしかたを、具体的な例を挙げてみましょう。

「胃がんの患者さんについて、昔からあるパンフレットを使って全員に同じ退院指導をしているけれど、この退院指導でいいのだろうか?」と疑問に感じたとしましょう。

ここから浮かんだあなたの問いが、「胃がんの患者さんが退院後に生活を送る上でどんなことが問題点としてあるのだろう?」というものならば、知りたいことは退院後の生活上の問題点についての「内容やその程度」ですからType2の実態調査研究になります。

一方のType3は原因探しの研究です。この例では「胃がんの患者さんが退院後の生活を送る上でどんなことが問題点としてあると退院時に不安を感じるのか」というように一歩踏み込みます。つまり、原因とその影響(結果)という視点になるのです。

Type3では、1つの結果( この例では不安)と、その結果をもたらす複数の原因(この例では、さまざまな生活上の問題点)との、関係を探ります。

Type4は、高齢の患者さんと若い患者さんのように、高齢という原因があるかないかによってその結果、「胃がんの患者さんが退院後の生活を送る上での問題点」に、違いがあるのではないか、比較することで、特徴を示したいという場合に当てはまります。退院後の生活に与える要因として、年齢に絞って調べようというのが、Type4比較研究です。

次ページでは、問題を解決する手段を知る研究についてのタイプ分けです。

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