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【連載】500人のギモン&お悩み徹底解決

「あなただけに話す」と言われたらどうする?

解説 雨宮惠美

保健・医療・福祉サービス研究会 接遇トレーナー 教育コンサルタント

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患者さんと話しているときに、「あなたにだけ話します」と言われた経験がある人もいるのではないでしょうか。そんなとき、どう対応すればよいのかを考えていきます。


Q 患者さんから「あなたにだけお話します」と言われ、患者さん自身の背景について話をされたのですが、これは患者情報としてスタッフ間で共有すべきでしょうか。

A 共有すべき情報であるかどうかを判断し、チームの成熟度と患者さんの理解度から決めるようにします。

まずは共有する必要があるかどうかを判断する

この場合、まずは話を聞いた看護師が「チームで共有することが有益となる情報か否か」を判断する必要があります。具体的には、病気に直結することで あればもちろん共有することが必要で、また家族背景など療養生活と結びつく場合も考慮すべき重要な要素となります。反対に、日常の細々したことや、人の好き嫌いなど、非常に個人的な気持ちの問題であれば、当面共有の必要はないと判断してよいと思います。

共有すべきであると判断した場合、チーム全員がその必要性を理解し、情報を得ている事実について、当人やそこにかかわる人々に悟られないようにしな ければなりません。そのためには、チームと各スタッフに高い成熟度が求められ、新人が多いなど職場によっては難しい場合もあると思います。

また、患者さんによっては、話を聞いた看護師が共有する了解を求めてもよいと思います。後日「先日のお話は、ぜひAさんにかかわる看護師で共有した いのですが、どうでしょう。Aさんにとってもよい結果になると思いますが」とこちらの意図を理解してもらえるよう相談すれば、患者さんは「そこまで自分を 心配してくれている」と感じ、情報の開示に同意してくれる可能性もあります。

特定のスタッフへの不満であれば自分に置き換えて共有する

まれに患者さんの話の内容が、特定のスタッフについての不満や不快感である場合もあります。それが改善の余地のあるものならば、原因となっている態度や動作、言葉遣いなどを、自分のケースとして置き換え、「こんなふうに言われたので、これから気をつけることにします」など、さり気なく本人に話し、当人の気づきに結びつけることもできます。ただし、患者さんの嫌悪感が強かったり、改善できないと判断されたときは、上司に相談することも必要でしょう。

あなたも対応をチェックしよう【高齢者編】

一般成人よりも身体条件(聴力、視力、会話の理解度、ADL)が低下している高齢者には、臨機応変な対応も必要になります。ここでは高齢者に対する応対についてチェックしましょう。

□ 依頼形、疑問形で話し、本人に選択の余地があるよう配慮していますか

□ わかりやすい言葉で、ゆっくりはっきり話していますか。

point
高齢者は聞き取れていなくても「はい」と返事をしてしまうことがあります。理解を確認しながら話すようにします。

□ 表情を豊かに、身振りを交えて話していますか。

point
聴力が低下していても、表情や身振りで理解を促すことができます。

□ 会話のなかで患者さんに名前で呼びかけていますか。

point
名前を呼びかけることは注意を引きつけることになります。

□ 「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばず、相手の名前をきちんと呼んでいますか。

□ 不必要に大きな声で話していませんか。

point
大きな声だと怒っているように聞こえてしまいます。患者さんの状態に応じて、声のトーンを変えたり、耳元で話します。相手がどうしても聞き取れない場合は、筆談を行います。プライバシーに対する配慮は常に必要です。

□ 「ちゃん」呼びはしていませんか。

□ 幼児扱いをしていませんか。

point
本人はもとより、家族や周囲の人にも不快感を与えてしまいます。人生の大先輩として尊厳を大切にした応対が求められます。

□ 受付などで得た情報は、メモして次の人に伝達していますか。

point
高齢の場合特に、何度も同じ説明をすることが容易ではありません。なるべく一度の説明で済むよう配慮します。

>>次ページは、「答えにくいプライベートにかかわる質問をされたらどうする?」

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