【連載】初歩からわかる看護研究

Step19【看護研究】言葉の分析法(その3)

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

前回は、収集した言葉のデータを切り取り、コードを命名するところまでを説明しました。今回は、さらにカテゴリー化して概念図を作るところまでを説明します。


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並べ替え機能でカテゴリー化する

追加の対象者も含めて全員分のコードの命名ができたら、カテゴリー化を進めていきましょう。

KJ法で付箋に短い文章を書き、模造紙の上で移動させ類似した言葉をまとめて「島」を作る作業をイメージしてください。付箋の1枚1枚がExcelのセル1つ1つに切り取った文章データです(図1)。

並べ替え機能でカテゴリー化説明図

付箋をまとめていく作業と同じことをExcel上で行います。コード名を頼りに同じ「島」としてまとまりそうなものには同じキーワードをつけていきます(図2-C列)。

データ分析シートの例

このキーワードを基にさらに類似のカテゴリーをまとめていきますが、キーワードはカテゴリー名の仮称でもあり、カテゴリーをまとめていくための指標になります。

全てにキーワードが付けられたら、Excelの並べ替え機能を使って類似したものをまとめ、カテゴリー化していきます。

並べ替え機能

[1]データが入っているセルをどこでもいいので選択する。

[2]メニューバーの「データ」タブを選び、「並べ替え」をクリックするか、「ホームの「編集」から「並べ替え」をクリックして、「ユーザー設定の並べ替え」を選ぶと、「並べ替え」ウインドウが開く。

並べ替え機能の説明

[3]「先頭行をデータの見出しとして使用する」にチェックを入れる。

[4]最優先するキーを「キーワード」とし、「レベルのコピー」をクリックし、次に優先されるキーを「コード名」にする。これにより同じコード名、キーワードの行がまとまって並びます。

並べ替え機能の説明②

[5]OKをクリック。

※ここではExcel2007の操作方法について紹介しています。

このまとまりを「カテゴリー」とします。カテゴリー内のコード名をみながら、このカテゴリーに名前を付けます。図2の例では「愛情の深さ」(B列2、3行目以降)です。ここではコード名よりも少し抽象度を上げた命名をしてください。

カテゴリーをまとめ、答えの概念を明らかにする

さらにもう一段階抽象度を上げるために、今度はいくつかのカテゴリーを元に同じ並べ替えの作業を行います。これを「上位カテゴリー」とし命名します。図2の例では「愛情による介護への価値づけ」(A列2、3行目以降)としました。場合によってはさらに抽象度を上げる場合もあります。

カテゴリー化していくなかで、コード名やキーワードを修正する場合もあるでしょう。試行錯誤しながら、その都度並べ替え機能を使って「島」をまとめ直して、研究疑問に対する答えの概念を明らかにしていきます。まとめ上がったら、結果を1つの表にします。

「上位カテゴリー」、「カテゴリー名」、「コード名」に、同じ名前が入っているセルは結合して見やすい表にしてください。一旦セルの結合をすると、並べ替え機能を使うことができなくなるので、セルの結合は最後に行ってください。

セルの統合

[1]一つにまとめるセルを選択する。

[2]メニューバーの「ホーム」の「配置」から、「セルを統合して中央揃え」ボタンを選びクリックする。

セルの統合操作手順

[3]OKをクリックする。

セルの統合操作手順②

[4]以下、統合したいセルで同様の手順を行う。

※ここではExcel2007の操作方法について紹介しています。

さらにカテゴリーや上位カテゴリーを使って図にするのもよいでしょう。Type1因子探索研究は、研究疑問に対する答えを1つの概念として作り上げていくものです。最後にその答えを説明する概念図を示すと、結果が分かりやすくなります。

次回は質問紙の作り方について説明します。

(「ナース専科マガジン」2010年10月号より転載)

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