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【連載】今度こそ「できる!」血糖コントロール

【糖尿病】血糖コントロールの指標と方法(食事・運動・薬物療法)

解説 牧田善二

AGE牧田クリニック・院長

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糖尿病で怖いのは合併症です。血糖コントロールはその予防につながる大切な要素ですが、ただ単に血糖値を下げればよいというわけではありません。血糖値をコントロール「できない!」トラブルを解決する前に、まずは血糖コントロールの基本をおさらいしていきましょう。

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【目次】

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キホン1 「血糖コントロール」は糖尿病合併症予防の合い言葉!

血糖値を下げれば合併症は怖くない!?

糖尿病治療で最も大切なこと、それは「合併症をいかに起こさせないか」ということです。それには血糖コントロールが鍵を握りますが、単に血糖値を下げれば合併症の心配がないという意味ではありません。糖尿病と診断された人の中には、血糖値が下がれば「糖尿病が治る」または「合併症の心配はない」と考える人が意外に多いのです。

しかし、それは大きな誤解。ひとたび空腹時血糖値126mg/dLの川を越えると、もはや戻る(治す)ことはできません。糖尿病はインスリンの分泌の低下、またはインスリン抵抗性の増大によって起こる代謝疾患群であり、血糖コントロールによって血糖値を抑えることはできても不可逆的です。従って、高かった血糖値を一時的に下げたからといって、疾患自体が治ったり、合併症を発症しないわけではないのです。

重要なのは、安定した血糖値の持続(=血糖コントロール)が合併症予防につながるのだということ。そして、医師や看護師など医療者がそれを患者さんに繰り返し伝え続けることです。

そもそも…血糖値上昇とインスリンの関係

体内の主要なエネルギー源となる炭水化物は、胃で消化すると、腸でアミラーゼなどの消化酵素によって小さく分解され、最終的にブドウ糖となって吸収されます。小腸血管から入って門脈に集まったブドウ糖はいったん肝臓に向かい、一部は肝臓の細胞に吸収されますが、大部分は心臓を通って全身に供給されます。

ブドウ糖が血液中に取り込まれたときに、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇するわけですが、これを下げる唯一のホルモンが膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインスリンです。インスリンには、血液中のブドウ糖を細胞(主に筋肉細胞、肝細胞、脳細胞)に取り込むのを助ける役割があり、ブドウ糖が移行することによって血糖値が下がるという現象が生じます。

しかし、糖質や炭水化物の摂り過ぎやまとめ食い、肥満、運動不足といった長年の生活習慣の乱れで、膵臓を酷使、疲弊させると、膵臓が血糖値を下げるのに十分なインスリンを分泌できなかったり、うまく作用しなくなります。こうして高血糖状態が継続する疾患が糖尿病です。

正常な血糖調整の流れ

正常な血糖調整の流れ

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