【連載】初歩からわかる看護研究

Step21【看護研究】アンケート(その2)質問紙の作り方、配布~回収の流れ

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

前回 「アンケート(その1)質問文と選択肢の作成ポイント」に続き、回答しやすく回収率が上がる質問紙作成のコツを紹介します。今回は、表計算ソフトExcelを上手に使って効率よく作業し、読みやすい質問紙作り、配布~回収までにすべきことを紹介します。


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読みやすい質問紙を効率よく作るエクセル活用のコツ

依頼文などの長い文章を書くときはWordが適していますが、短い質問文や回答番号で構成される質問紙では、Excel のほうがWordよりもレイアウトがしやすい利点があります。今回は見やすい質問紙をExcelで作成するコツを説明します。

全セル選択でフォント変更する

Excelでは文字の書体はゴシック体の設定になっています。小見出しや強調したいところはゴシック体や強調文字にするなど工夫してください。フォントサイズ(文字の大きさ)は11~12程度が適当ですが、調査対象者が高齢者などの場合は、14以上にして読みやすくします。

以下、Excelの操作方法です(ここで紹介しているのはExcel2007の操作方法です)。

[1]コーナーをクリックするか(図1-1)「Ctrl」キーを押しながら「A」キーを押すと「すべて選択」の状態になる。

[2]この状態でフォントを「MS P明朝」にする(図1-2)とシート全体が明朝体になる。

操作手順

※ここではExcel2007の操作方法について紹介しています。

行幅と列幅を調節する

枚数を少なくしようと、1枚にギッシリ詰めすぎると、読みづらく回答する気がなくなります。Excelでは行の高さを自由に調整することができます。行はゆとりをもたせたほうが読みやすく、答えも書き入れやすくなります。

[3]全体の行幅を変えるには「すべて選択」(Ctrl+A)の状態にして、行見出し(どの行でも良い)の境界線をクリックしながら幅を広げるとシート全体の行が同じ幅になる(図1-3)。

長い文の入力には折り返し機能を使う

質問文など、長くなる場合はセルを結合して折り返します。

[1]長い文章を入力したい範囲のセルを選択し、「セルの結合」ボタンと「折り返して全文を表示」ボタンをクリック(図2-1)。

[2]「左揃え」ボタンをクリック(図2-2)。

[3]文章を入力する。セル内で改行をしたい場合は、「Alt」+「Enter」を押す(図2-3)。

[4]行の高さを変える場合は、行見出しの境界線にマウスポインタを置き、クリックしながら上下に動かす(図2-4)。

操作手順

※ここではExcel2007の操作方法について紹介しています。

インデント機能で行頭を見やすく

行頭にスペースを開けたいときは、インデント機能を使うと行頭にスペースを入れることができます。

[5]「インデント」ボタンで行頭にスペースを入れる(図2-5)。

番号と文章の入力セルを分ける

質問文に付ける番号や選択肢の番号は文章と同じセルに書かないのがコツです。同じセルに番号と文章を入力すると、後で項目の順番を変えたり追加したときに、番号を付け替えなければなりません。セルには文章だけを入力し、最後にオートフィル機能を使って番号を振れば、効率的に作業ができます。

[1]セルに文字を入力してから隣のセルに1を入力し、セルの右下にカーソルを置き、ポインタの形が+に変わったら、クリックしたまま下に動かす(図3-1)。

[2]一番下のセルまで数字がコピーペーストされた後に右下に表紙される「オートフィルオプション」スマートタグのボタンの▼をクリックして「連続データ」を選ぶと、数字が連番に変わる(図3-2)。

操作手順

※ここではExcel2007の操作方法について紹介しています。

体言止めで回答や集計をしやすく

質問文は体言止めにして回答を揃えると答えやすく、集計時の入力もしやすくなります。1行目に番号を入力してからオートフィル機能を使うと、きれいに整えることができます。セル内の文字の配置は垂直、水平方向とも変更ができます。

[1]セルの文字配列ボタンで左右寄せ/中央揃えを選択して、番号をきれいにレイアウトする(図4-1)。

[2]セルをコピーする(図4-2)。

操作手順

※ここではExcel2007の操作方法について紹介しています。

回答しやすい質問の順番と量とは?

質問項目は概念枠組みから抽出しますが、質問紙にするときは回答を考える立場に立って、順番を変えてかまいません。考える過程を考慮して、質問内容があちこち飛ばないように順番を整えましょう。

通常、質問は答えやすい項目から入ります。いきなり難しい質問から入ると、回答をやめてしまうかもしれません。その意味では、誰でも答えられる性別や年齢などの基本データ(フェイスシート)から始めるのが一般的です。基本データは最後がよいという意見もありますが、著者の経験では最後にすると無回答になる場合が多くなります。

質問の量については15分以内で回答できる量がよいとされていますが、高齢者や小児など対象者の特徴や、病状を考えて加減してください。A4用紙4枚程度、多くても6枚程度までが適当です。

匿名性の保護はどうする?

質問紙調査はほとんどの場合、個人情報を保護するために匿名で行います。説明書と同意書を添付し同意書に署名していただいた場合、同意書は質問紙と切り離して保管します。

同意書に署名することで対象者に不利益が生じると考えられる場合は、質問紙の返送(記入)をもって研究への協力に同意したとみなすことを説明書に明記しておきます。質問紙の最初に、研究目的で使用することに同意するか否か尋ねる質問項目を設定し、「同意します」と回答した質問紙のみを使用するというのもひとつの方法です。

次のページでは配布前に行っておきたいことについて説明します。

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