【連載】初歩からわかる看護研究

Step6【看護研究】文献検索の方法と文献の入手・整理法

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

前回解説したとおり、概念枠組みには、研究疑問と研究疑問に対する「答え」を書いていきます。その「答え」を探す方法について前回いくつか挙げましたが、最も重要なのは先行文献から答えを得る方法です。また「用語の操作的定義」を行う上でも文献が必要です。今回は文献検索について具体的に説明していきます。


【看護研究まとめ記事】
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文献検索のスタートはキーワードを決めることから

文献は研究の初めから論文を仕上げるまで必要です。ただし、研究疑問が決定する前に文献を手当たり次第読んでいると、いろいろと目移りして、本当に 知りたいことがズレてしまうこともあります。研究疑問が決まるまでは、あえて読まないほうがよいかもしれません。その代わり、研究疑問が決定したら文献を 漏れなく検索し、読み込んでください。

看護研究はまだまだ発展途上ですが、あなたの疑問にかかわるさまざまな事柄について、すでに多くの研究者が研究を積み重ねているかもしれません。

そして、今研究を始めようとしているあなたは、過去の研究の上に立っているのです。ですから、あなたが立っているその山にはどのような研究の積み重ねがあるのか、その疑問に関連することについて、これまでどのような研究がされてきているのかを、知っておく必要があります。

それを知るために、先行文献(過去に発表された研究論文や総説、書籍など)をよく調べることが大事なのです。また初めて論文を書く人には、分析方法や論文の書き方、結果の表の作り方などの手本としても文献は役に立ちます。

研究疑問からいくつかのキーワードを切り出していく

では、具体的な検索法について述べます。文献を検索していくには、まずキーワードを決めなければなりません。キーワードは研究疑問をヒントにするとよいでしょう。

キーワードとして必要なのは、「誰・ の何・ か」です。表に示したようにそれぞれの研究疑問に使った言葉がキーワードです。

研究疑問説明表

Type6では、研究疑問に対象者が含まれていませんでしたので、誰に実践をするのかをキーワードに加えてください。

キーワードは、例えば「高齢者」ならそのままですが、「立会分娩を経験した父親」なら「立会分娩」や「父親」というように短いキーワードに分割します。

次にキーワードについてほかの言い方(同義語)がないか考えてみてください。「高齢者」なら「老人」「老年」などが考えられます。「ターミナルケア」なら「終末期ケア」などです。これらを組み合わせて検索していきます。

2つの検索システムを併用し漏れなく探す

さて、キーワードの用意ができたら、実際に文献を検索してみましょう。日本看護協会の会員であれば、「最新看護索引Web」と「JDreamII」を無料で利用することができます。

最新看護索引Web」は日本看護協会図書館で編集している、看護文献データベースです。所蔵する看護・周辺領域の雑誌、紀要のなかから看護に有用な国内文献を検索できます。

JDreamII」は独立行政法人科学技術振興機構(JST)が作成しており、医学、薬学、歯科学、看護学、生物科学など広い範囲について雑誌、紀要、公の報告書、抄録などの国内文献を検索することができます。

最新看護索引Webでなければ検索されない文献、JDreamIIでなければ検索されない文献がありますので、併用することをお勧めします。まずは検索範囲の広いJDreamIIを使って検索し、同様のキーワードを使って最新看護索引Webで検索すると、JDreamIIで漏れた文献を追加することができます。

次は日本看護協会の文献検索システムの使い方を紹介します。

日本看護協会図書館の看護文献データベースを利用するには

日本看護協会ホームページ(図1)の「会員の皆さまへ」(図1-[1])をクリックしJNA-会員ダイレクトに入ります。まだユーザー登録をしていない場合は、まず会員登録をしてください(図1-[2])。

図1 日本看護協会ホームページ
日本看護協会ホームページ

ユーザー登録画面でJNA会員番号やメールアドレスなどの情報と任意のパスワードを入力して手続きすると、日本看護協会から確認のメールが届きます。そのメール本文に記載されたURLにアクセスし、登録を完了します。

登録後、JNA-会員ダイレクトにログインするには、メールアドレスとパスワードを入れて[認証]ボタンをクリックします(図1-[3])。

図2 JNA-会員ダイレクト
JNA-会員ダイレクト

次に、JNA-会員ダイレクトのトップページにある「文献検索」をクリックすると、【最新看護索引Web 】(図2-[1])と【JDreamII】(図2-[2])が用意されています。

最新看護索引Webで文献検索をしてみよう

最新看護索引Webをクリックすると、検索画面が表示されます(図3)。簡易検索と条件検索があります。ここでは簡易検索を紹介します(図3-[1])。

図3 最新看護索引Web 検索画像
最新看護索引Web 検索画像

検索語としてキーワードを枠の中に入力します(図3-[2])。いくつかのキーワードを組み合わせたいときは、スペースを空けて入力します。入力できるキーワードは5つまでです。

キーワードの入力枠の横にある「全て含む」▼(図3-[3])は、キーワードを5つ入れたら、5つ全部含むものが検索されます。5つのうちどれか1つでも含むとしたい場合は▼をクリックし、プルダウンメニューから「いずれかを含む」を選択してください。

[検索]ボタン(図3-[4])をクリックすると検索結果が表示されます(図4)。

図4 最新看護索引Web 検索結果画面
最新看護索引Web 検索結果画面

条件検索では、検索項目を指定して検索することができます。使い方については「ヘルプ」(図3-[5])をクリックすると詳しく説明されていますので、そちらを参照してください。

日本看護協会の会員が利用できる「最新看護索引Web」での文献検索方法について説明しましたが、もう一つ、併せて活用したいのが「JDreamII」で す。こちらのほうが検索範囲が広いので、まず「JDreamII」で検索し、同様のキーワードで「最新看護索引Web」でも検索すると漏れが少なくなりま す。次は、「JDreamII」の検索方法について説明します。

複数のキーワードの組み合わせ方を理解しよう

Step6で、説明したように、文献検索を行う際には、短く分割したキーワードを組み合わせて行います。

JDreamIIでキーワードを組み合わせるにあたり、ANDORについて理解しておきましょう。図1のようにANDは両方含む場合、ORはいずれか一方または両方を含む場合に使いますです。

図1 ANDとOR
ANDとOR説明図

例えば糖尿病患者さんの自己管理についての文献を調べる場合に、両方のキーワードを含む文献に絞りたいときはANDになります。いずれかを含む場合はORを使います。

JDreamIIで文献検索してみよう

日本看護協会の会員専用ページ「JNA-ダイレクト」の文献検索ページにあるJDreamIIのボタン(図2-[1])をクリックすると、データベース選択画面が表示されます(図3)。

図2 JNA-ダイレクト
JNA-ダイレクト

図3 JDreamII
JDreamII

JMEDPlusをチェックして(図3-[1])、シンプルモード(図3-[2])に入ってみましょう。

キーワードの組み合わせ方と検索条件の絞り込み方

シンプルモードの検索条件指定画面(図4)が表示されたら、ここにキーワードを入力していきます。

図4 JDreamIIの検索条件指定画面
JDreamIIの検索条件指定画面

枠の中には複数のキーワードを入力することができます。同義語を同じ枠の中に入れておくと、ほかのキーワードとの絞り込みが同時にできます。その場合は「語間のスペース」を「OR」にします(図4-[1])。

例えば、高齢の糖尿病患者さんの自己管理に関する論文を検索するとしたら、1行目に「高齢者 老年 老人」とスペースを入れて入力し、2行目を「糖尿病」、3行目を「自己管理 セルフコントロール セルフケア」にし、「語間のスペース」は「ORとする」をチェックします(図4-[1])。

同義語は入力スペースの下にある、JSTシソーラスブラウザから見つけることもできます(図4-[2])。これで検索すると583件がヒットしました(2009年10月9日現在)。

もう少し絞り込みたい場合、さらにキーワードを加えたり、下にある「検索範囲の絞り込み」(図4-[3])であらかじめ発行年や論文の種類を指定できます。

また「キーワード」と表示されている枠(図4-[4])のプルダウンメニューから(▼をクリック)「和文標題」を選ぶと、論文のタイトルにキーワードが含まれるものに絞ることもできます。

JDreamIIでは、抄録も表示されます(「抄録なし」の文献もあり)。詳しくはオンラインヘルプを参照してください。

次ページは、調べた文献をどのように入手し、整理するかについて紹介します。

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