【連載】500人のギモン&お悩み徹底解決

どこまで必要? 病室の環境整備

解説 熊谷祐子

現・自治医科大学看護学部 講師

病室の環境整備も何をどこまで行えばいいのか、迷ったことはありませんか。何をどこまでやるのかを考えるときに、感染管理の視点から考えると環境整備のポイントもわかってきます。


Q マットレスやカーテンの交換、床頭台などの清掃はどのくらいの頻度でどのように行えばよいですか。

A 病室の環境整備も感染管理の点から清掃を行います。

カーテンについて

カーテンは低頻度接触表面とされているので、洗濯洗浄でよいとされます。しかし、ベッドサイドでの処置で患者さんの体液や血液などが飛び散っている 可能性があるうえ、看護師も頻繁に接触するので、汚染度は高いと考えます。汚れが目立ってから交換するケースもあるようですが、それ以外にも定期的に交換することをお勧めします。

マットレスおよびベッドパッドについて

寝床内環境は温度33℃、湿度50%前後が快適とされ、1日におよそ1.8Lの汗をかくといわれています。その環境下で過ごした後のベッドは、多く の湿気を含んでいるので、日頃から起床後にはベッドメーキングをし、マットレスに空気を入れることが必要です。枕も同様に頭部の形を元に戻し、空気を入れ ます。患者さんは、吸気時には寝具から蒸発する空気を吸うわけですから、毎日一度は寝具への空気の入れ換えを行うことは大切です。

交換については、汚染時のほか定期的な交換が望ましいですが、マットレスに関しては退院ごとの交換が一般的になっているようです。

シーツについて

終日臥床している患者さんのシーツは、健康な人の3倍汚染される可能性があるといわれます。4日目以降から飛躍的に細菌が増加するという研究報告もされているので、3日ごとの交換が望ましく、最長でも1週間に1回は交換することが望ましいとされます。このとき、感染のない患者さんの使用済みのシーツはランドリー袋に入れてクリーニングに、感染のある患者さんについては袋に入れて口を固く締めて処理します。

なお、シーツやベッドパッドなどは夜間の患者さんの状態が観察できる重要な情報源です。朝の訪問の際や環境整備時にベッド箒または粘着性のあるテープでベッドを掃除することは、看護上とても重要なことです。

床頭台、ベッド柵など

床頭台などの高頻度接触表面は、1日1回以上の清拭あるいは消毒が推奨されています。ベッド周囲は1日でも清掃、整備をしないと埃がたまるので、施設で決められた消毒薬で拭くことが求められます。また、高頻度接触表面で最も汚れが激しいと思われるのがベッド柵です。患者さんが体位変換時や起き上がる際などに頻回につかまっており、看護師の手や衣服も頻回に触れるので、柵の1本1本を丁寧に拭き取るように清掃します。看護師は1ケアごとに手洗いをすることが大切です。さまざまなものに触れる看護師の制服も本来は毎日交換すべきでしょう。

室内の拭き掃除は、それぞれ場所ごとに、ディスポーザブルアルコールタオルを交換し、院内感染を予防していきましょう。

生花の管理はどうすべき?

最近は、病室に生花を飾ることが少なくなっているようです。これは床頭台などのスペースが狭くなってきていることもありますが、強い花の香りに抵抗のある人がいる、十分な管理ができないなどの理由から、生花の持ち込みを好ましくないとする傾向があるようです。

確かに、生花の水は替えずにおくと腐敗して悪臭を放ちますし、フラワーアレンジメントのオアシスも花を指し込んだ部分から腐敗していきます。悪臭や見た目に汚いというだけでなく、その汚れた空気を患者さんが吸い込むことを考えると、衛生上も悪影響が懸念されます。また、免疫力の低い患者さんによくないという理由で生花の持ち込みを禁止している病院もあります。

しかし、きれいな花を見ることで気分転換できることを考えると、禁止が果たしてよいのかという問題は残ります。環境整備を行う際に花瓶の水を交換する、枯れた花弁や葉をとるなど、管理を行えるかどうかが基本になるのだと思います。

次回はMRASの患者さんに対する感染対策について解説します。

(「ナース専科マガジン」2010年5月号より転載)

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