【連載】初歩からわかる看護研究

Step23【看護研究】推測統計の手法(その1)

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

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データを収集したら最初に記述統計(Step34~36)により、1項目ずつ度数、平均値、標準偏差、中央値などを算出し、データの傾向をつかみます。統計手法には、このような集団全体の特徴を表す「記述統計」と、得られたデータから母集団を推測する「推測統計」があります。今回からは、推測統計について説明します。


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推測統計には母集団を代表するデータ収集が必須

得られたデータを統計学では「標本」といいますが、推測統計では標本から母集団を推測し、標本の結果を母集団に適用できる可能性を示します。研究対象者の特徴をもった人全てが、母集団です。

例えば「糖尿病で自己管理が必要な患者さん」だったら、該当する人は無数にいるでしょう。あなたの標本(データ)は、この無数にいる母集団から抽出されたものです。無数にいる対象者全員からデータを得ることは不可能なので、その中から標本を無作為に抽出し、もとの集団全員(母集団)を推測します。それによってあなたの対象者だけではなく、研究対象となる特徴をもった全ての人に適応できる可能性を示します(図)。

あなたの標本(データ)から全集団を推測するので、標本は母集団を代表するデータでなければなりません。例えば地域住民の運動能力について調査するのに、運動に自信のある人ばかりに偏っていたら、その偏った標本から母集団である地域住民全員を推測したとき誤った結果を生じます。偏った標本(データ)を元に母集団を推測することは意味がありません。母集団から標本を無作為に抽出することが推測統計の前提になります。

病棟で行う看護研究では、無作為抽出をすることはなかなか難しい場合が多いですが、できるだけ偶然に選ばれ、研究者が故意に選ぶことができないようにします。推測統計を行う場合は、自分の集めた標本(データ)が母集団を代表しているのか、それとも偏っているのかを十分に吟味して、結果を解釈することが重要です。

次のページでは推測統計の手法について説明します。