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【連載】ナースのための褥瘡ケア

第7回 褥瘡部と創周囲の洗浄

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一昔前、褥瘡の創部は生理食塩水を用いて洗われるのみで、創周囲の皮膚は洗浄されることなく、残存した古い軟膏と滲出液の上に消毒材が塗り重ねられ、そのまま新たな処置がされていました。その結果、褥瘡を保有する患者が多い病棟ではその独特の臭いが病棟全体にしてしまうほどでした。 現在は、創処置の際に洗浄する事が浸透していますので、そのような事はなくなったと思いますが、皆さんの施設では、褥瘡部と創周囲の皮膚はどのように洗浄していますか? 今回は、創部および創周囲皮膚の洗浄についてお話します。

創周囲の皮膚の洗浄

褥瘡の創部そのものに目が行ってしまい、なかなか創周囲の皮膚のケアは浸透してきませんでした。創部の消毒はしても、創周囲のガーゼに覆われていた部分は、清拭がされる訳でもなく、洗浄もされない環境が長く続いてしまっていました。 しかし、創周囲の皮膚には創部と同様、滲出液、古い軟膏、古い角質、汗などが付着しています。その結果、皮膚の常在菌も増殖しやすい環境となっており、臭いの原因になっていたと考えられます。 真田ら(2000)は、創周囲皮膚を石鹸洗浄した場合と生理食塩水のみの洗浄での変化を比較する研究を行いました。その結果、石鹸洗浄したほうが生理食塩水のみで洗浄した場合と比較して、鱗屑(古い角質)量、細菌数は有意に減少しました。細菌数が減少するという事は、創部の感染予防につながります。 また、角質の水分量、皮膚のpHの値は、どちらも健常皮膚に近づいたという結果が得られました。表創周囲の皮膚を健常皮膚に近づけることで、表皮細胞の遊走を促すことができ、創治癒促進ができるという事が研究より明らかになりました。 創周囲の皮膚を洗浄する時に用いる石鹸は、皮膚への刺激を少なくするために皮膚のpHに近い弱酸性の石鹸を用いる方がよいと言われています。一般的な固形石鹸はアルカリ性ですが、健康な皮膚であれば洗浄後に徐々に弱酸性に戻っていきますが、脆弱な皮膚はこのpH調節機能が弱まっていることが考えられます。何よりも大切なことは、洗浄後に石鹸成分を皮膚に残さないようによく洗い流すことです。