インスリンに対して強い拒否反応を示す患者さんは、インスリン療法への誤解や思い込みを持っている場合が多いものです。拒否反応を示されたときには、その原因を聞き出し、インスリン療法を導入している患者さんの話を聞いてもらうなど、不安や疑問を解消できるようなアプローチが必要です。
ケース7 拒否反応がありインスリンが導入できない!
インスリンを拒否されてしまったときはこうする!
インスリン療法の導入を提示されると、「とうとうインスリンになってしまった」と落胆したり、「インスリンだけはやりたくない」と拒否反応を示す人は少なくありません。その最大の理由は、インスリン療法の導入が糖尿病の悪化を意味し、最後の治療だと思い込んでいることです。まずはこの誤解を取り除くことが重要です。
また、注射することに恐怖感を持っているケースもあります。かつてインスリンの導入を渋る患者さんが、しばらくして「針が嫌だから」と、その理由を話してくれたことがあります。そこで、ほぼ無痛の針を使うことで対応し、導入できました。患者さんの思いを丁寧に聞いて、本当の理由を確かめることが必要です。
インスリン療法への先入観や不安などを解消するには、すでにインスリン療法を導入している人たちに直接話を聞くことが効果的です。
小集団による指導によって、お互いがどのように行っているのか、例えば「手技は簡単」「痛くない」など、その実際に触れることによってインスリン療法への理解が深まり、抵抗感も少なくなるようです。特に患者さん同士の交流会は、お互いがそれぞれの気持ちをくみ取ることができるため大変有効です。
続いて、インスリン導入への拒否反応の原因と指導法について説明します。
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