【連載】初歩からわかる看護研究

Step29【看護研究】パワーポイントで発表資料を作る

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

研究成果がまとまったら、いよいよ発表の段階です。今回は発表資料であるスライドの作り方を紹介します。


【看護研究まとめ記事】
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パワーポイントでスライドを作る場合の注意点

いよいよ発表の準備に入ります。発表の形式には口演発表、示説(ポスター)発表、誌上発表があります。口演発表は、Power Pointなどを用いて口頭で発表します。一度に大勢の人に向けて発表することができます。

示説発表は、プリントした資料をパネルなどに掲示し、その前でプレゼンテーションや質問を受け付けます。実践報告などで、実際の看護用品の紹介、ツールやアセスメントシートなど、スライドでは表しにくいものは、示説発表が向いています。また、聞き手とその場でディスカッションできるという利点もあります。

誌上発表は、雑誌や学会誌などに論文を載せて発表する方法です。発表の場にいない人にも読んでもらうことができ、文献として残すことができます。

最近は、院内発表でもPower Pointを用いてスライドを作成し、パソコンとプロジェクターを使って発表するのが一般的になってきました。発表スライドを作成する前に論文を仕上げ、そこから重要なところをピックアップしてスライドにしていきましょう。

口演でも示説でも、スライドの数は10枚程度にします。構成は論文と同じです。「タイトル」「はじめに」「研究目的」「研究方法」「倫理的配慮」「結果」「考察」「まとめ」の順にします。さらにType6実践報告では、研究方法を実践についての説明と評価方法に分けてください。(図)。

スライドの構成例

スライド作りのコツ

スライドの文字の大きさは、映し出される画面の大きさにもよりますが、小さくても24ポイント以上にした方がよいでしょう。たくさんの情報を伝えたくなりますが、1枚のスライドを見ている時間は1分程度です。ぎっしり詰め込んでも読むことができません。短い言葉で箇条書きにするなど、できるだけ文字は少なくした方が聞き手に要点が伝わります。

スライド文字の書体は、明朝体よりも太めのゴシック体や丸ゴシック体の方が読みやすいスライドになります。強調したい文字は色を変えたり、矢印をつけておくと注目されます。

スライドの背景は、色鮮やかなテンプレートもたくさんありますが、あまり複雑なものを選ぶとそちらばかりに目が行ってしまいます。研究発表に適したものを選びましょう。背景色は、会場を暗幕で暗くするような場合は、背景が白いとまぶしくなりますので、黒や紺などの方が適しています。真っ暗ではないのなら明るい背景でも構いません。文字の色は背景に合わせてくっきりと見える色を選びましょう。

スライドにアニメーションを付けると分かりやすくなる場合があります。説明に合わせて文字やイラストが浮き出る設定にしたり、グラフが変化したりするような設定をすることができます。結果は複数枚になると思いますが、タイトルは「結果1」、「結果2」、とするより、例えば結果をグラフで表すなら、グラフのタイトルをスライドのタイトルにする方がお勧めです。

論文では考察と結果を別々に書きますが、発表のときは結果を示しながら考察した方が理解しやすくなります。結果のスライドがあっと言う間に次々と進み、考察として文章がぎっしり詰まったスライドを長く表示したまま、考察を述べている発表があります。この方法では、聞き手が結果のスライドを思い出せず理解できません。結果のスライドをもう一度表示させるか、考察のスライド画面に表やグラフが上に重なるアニメーションを設定しておくと、結果と考察が結び付いてずっと分かりやすくなります。

示説発表は、大型印刷機を使った1枚刷りのポスターも増えてきましたが、Power Pointで作成したスライドを数枚貼り付けるポスターが大半を占めています。ポスターを貼るボードに合わせて、枚数などを決めましょう。示説発表は近づいて読むことが可能なので、口演発表より文字を小さくすることができます。発表の場によっては、資料を配布したり展示をしたりすることも可能な場合があります。

ExcelのグラフをPower Pointに貼り付けアニメーションを設定する

(Power Point 2007の場合)

それでは、前回作成したグラフをPower Pointのスライドにしてみましょう。

[1]表を挿入したいパワーポイントのページを開き、エクセルで作成したグラフをコピーし、「貼り付け」ボタンで貼り付ける→グラフエリアの四隅をクリックして任意の大きさに広げる。

Power Pointの操作手順

[2]小さい文字などはその部分を選択して「ホーム」タブの「フォント」で書体や大きさを変更する。枠線や目盛線の色なども変更したい場合はその部分を選択して右クリックで「軸(あるいは目盛線)の書式設定」で変更する。

[3]口演に合わせてグラフが変化するアニメーションを設定する。グラフ全体を選択し「アニメーション」タブの「アニメーションの設定」をクリック→「アニメーションの設定」ウインドウの「効果の追加」▼をクリックし「開始」の「フェード」を選ぶ。この時点ではクリックあるいはEnterキーを押すとグラフ全体が浮き上がってくる効果が設定される。

Power Pointの操作手順②

[4]アニメーション効果の表示の右にあるVマークをクリックし「効果のオプション」をクリックする

Power Pointの操作手順③

[5]新しく開くウインドウの「グラフアニメーション」タブをクリックし、「グループグラフ(G)」の右横のVマークをクリックして「項目別」を選択しOK。

Power Pointの操作手順④

[6]この設定で、口頭説明に合わせてクリックあるいはEnterキーを押すことで、グラフの背景、1項目目、2項目目、3項目目が順に現れる効果が使えるようになる。

Power Pointの操作手順⑤

最終回は発表の仕方について説明します。

(「ナース専科マガジン」2011年2月号より転載)

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