客観的に見ることのできない食習慣は、記録することで患者さんの認識を新たにすることができます。内容や量など、細かく記載してもらい、一緒に見直してみましょう。
ケース11 患者さんに食べ過ぎている自覚がない!
食べ過ぎている自覚がないときはこうする!
まず患者さんがこれまでどのような食生活をしてきたかを知る必要があります。1日何回、何時頃に、誰と、どのような内容の食事をしているのかを、できるだけ具体的に話してもらいます。わかる範囲で構わないので、前もって1週間の食事記録をつけておいてもらうことも有効です。ただし記録があっても、必ず聞き取りは行うようにしてください。
客観的に食生活を見直すことで、「そんなに食べているつもりはない」といっていた患者さんも、実はかなりの量を食べていた事実に驚くこともあります。
また、患者さんには、「朝食は食べず、昼と夜にたくさん食べる」「コンビニのお弁当をよく利用する」「外食が多い」など問題点はさまざまありますが、それを頭ごなしに否定せず、まずはどうしてそうなるのかという理由を探るようにします。そのヒントとなるのが、その人の生活スタイルです。
1日のタイムスケジュール、仕事内容、家族関係、友人関係など、一見関係のなさそうなことが、食生活に影響を及ぼしていることがあるのです。生活全般の情報を収集し、問題点との関連をみていくことが大切です。
確認した内容をもとに、どこをどのように改善できるか、患者さんと一緒に考えるようにします。例えば、外食が多いなら、丼ではなく食品数の多い定食にしたり、不足しがちな野菜、海草、きのこ類などを家庭で多く取るようにするなど、できる方法を探っていきます。
続いて、患者さんが食べ過ぎている自覚がない原因について説明します。
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