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【連載】大切な人を亡くす子どもへのケア

第11回 社会的・心理的援助を行うMSWの役割(前編)

監修 廣岡佳代

訪問看護パリアン訪問看護師 聖路加看護大学看護実践開発研究センター客員研究員

協力 堂園文子

堂園メディカルハウス副院長 メディカルソーシャルワーカー

Ico childcare a2

鹿児島市にある堂園メディカルハウスは、総合診療科をもち、ホスピスケアを充実させた有床診療所です。外来通院、入院、在宅ホスピスなど、患者さんだけでなく家族を含めたその時々の状況に最も適したかたちで緩和ケアを提供しています。

その中でも特に、親を亡くす子どものケアに積極的に取り組んできた同院MSW(メディカルソーシャルワーカー)の堂園文子さんが、ケアが行われている現場の様子を、事例を通して紹介します。


死別にまつわる葛藤を、子どもの人生に残さない

当院では、ホスピスで最期を迎えたいという意思をもって療養している患者さんが多いので、家族や子どもにも、ある程度まで患者さんの状況が伝えられています。ただし、刻一刻と変化する病状について、患者さんや家族の認識と医学的な事実には違いが生じることもあります。

さらに、大人から伝えられた状況を、子どもが適切に把握できているとはかぎりません。ですから、「もしも、このまま患者さんに何かあったら、親との別れに心残りが生じて、子どもが人生に大きな問題を抱えてしまう」という状況が生じていないか、看護師をはじめスタッフが、気づきを共有するようにしています。

その上で必要なケースについて、子どもへの心理的援助をMSWがコーディネートして行っています。具体的には、子どもへ親の病状を説明したり、子どもとの面談を通してニーズを把握したりということです。病状の説明には医師も同席し、必要な場面では患者さん自身や他の親類や看護師が同席することもあります。

外来、入院、在宅を通してホスピスケアを行う同施設での実践の様子とニーズについて、事例から紹介します。
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