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【連載】大切な人を亡くす子どもへのケア

第12回 社会的・心理的援助を行うMSWの役割(後編)

監修 廣岡佳代

訪問看護パリアン訪問看護師 聖路加看護大学看護実践開発研究センター客員研究員

協力 堂園文子

堂園メディカルハウス副院長 メディカルソーシャルワーカー

Ico childcare a2

前回に続き、終末期を迎えた母親と子どもたちとのかかわりの事例から、堂園メディカルハウスの副院長であり、MSW(メディカルソーシャルワーカー)である堂園文子さんが、社会的・心理的支援を行うMSWの役割についてまとめます。


事例――最期のときに向けて、子どもたちに伝えること

8月20日、Aさんの兄と子どもたちに、医師とMSWから、「悲しいけれど、もう1週間もたないと思われる」ことを話しました。

その際、「亡くなる前のご様子」という用紙をとともに、意識や体の状態について話したうえで、「長く生きてほしいと思うより、1分1分を大切にしてほしいこと」「そのときはゆっくりと時が過ぎていくように安らかになるだろうこと」「最期まで耳は聞こえるから、優しい別れの言葉をかけてあげてほしいこと」などを伝えました。

そして、Aさんとの最期の過ごし方について、「楽しかった思い出を話したり、将来の自分の夢を話してあげるとお母さんの心が落ち着くこと」「死ぬのはいなくなるのではなく、遠くに行って見えなくなるけれど、子どもたちをお母さんはずっと見守ってくれること」「息が苦しそうに見えるのは、舌がのどのほうに下がっているためであること」「子どもたちの頬をお母さんの手に触れさせてあげると安心できること」などを話しました。

その夜、子どもたちは、お母さんへの手紙をレポート用紙に数枚ずつ書きました。

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