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【連載】基礎から学ぶ 漢方薬ガイド

第1回 漢方薬初心者のギモンを解消!(その1)

監修 西村 甲

鈴鹿医療科学大学 鍼灸学部 教授

Kanpou

一言で漢方薬といってもわからないことばかり……。そこで、初めて漢方医療に触れる人に向けて、違いのわかる「漢方Q&A」から始めてみましょう。


Q一般に処方される薬(西洋薬)と漢方薬との違いは?

A 西洋薬は、ステロイド剤のように作用機序が十分に解明されておらず、複数の薬効を示すものもありますが、基本的に化学合成されたもので、単一の成分で構成されていて、薬効が多岐にわたることはありません。

対象となる症状・疾患は限定的で、「高血圧ならこの薬」と疾患によって処方が決まっています。

これに対して漢方薬は、通常2種類以上の複数の生薬がブレンドされた複合剤で、それを煎じて服用します。生薬そのものに多種の成分が含まれているうえに、その生薬を複数使うことでより多くの成分を含むことになります。しかも、それを煎じることで化学反応が生じ、一つの生薬単位の効能からは想像できないような、さまざまな薬効を示すようになっているのです。

したがって、一つの漢方薬でいろいろな症状に対応することができ、異なった疾患であっても同じ漢方薬が処方されることもあります。逆に、同じ疾患でも患者さんの症状に合わせて処方されるため、異なる漢方薬が使われることもあります。

また、単一成分である西洋薬は比較的副作用が生じやすく、体質に合わないと使いづらいことがあります。

例えば、ある薬を投与されていて便秘がちになると下剤を追加投与しなければならなかったり、逆に下痢に傾けば整腸剤が出されるなど、本来は一つの薬で済むはずが、その副作用を抑えるためにさらに薬が追加されるケースも少なくありません。

生薬にも体質に合わない成分が全くないわけではありません。しかし、多種多様な成分が含まれた生薬のなかには副作用を抑制する作用をもつ成分もあるため、マイナス作用を抑制し、さらに煎じていくなかで相乗効果が生まれ、期待される作用が増強する傾向があります。そのため西洋薬に比べ副作用が少なく、その効果も穏やかとなります。

続いては、「漢方薬と民間薬の違いについて」です。

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