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転倒を防ぐ歩行介助

解説 熊谷祐子

現・自治医科大学看護学部 講師

患者さんの移動は重要なケアであるとともに頻繁に行われるケアです。患者さんのみならず、看護師自身にも負担がかからないように行いましょう。今回は、麻痺のある患者さんに対する安全な歩行介助の方法を解説していきます。


Q 杖での歩行の際など、どう介助すればよいのかわかりません。

A 麻痺があるなら麻痺側に立つのが原則になります。

転倒のリスクを踏まえた歩行介助を

杖を使用する患者さんの歩行介助は転倒リスクがあるので、患者さんの移動能力や下肢の状態、歩行の特徴、治療内容などを理解したうえで行うことが大切です。

片側で杖を使用する場合には、杖は患者さんの健側にもちます。看護師は患者さんの歩行の妨げにならず、バランスを崩したときにすぐに支えられる位置で介助するのが原則です。

麻痺がある場合には麻痺側に立ち、必要があれば手を患者さんの腰あるいは腋窩に添え、患者さんがふらつかないように支えます。

転倒の危険性のある場合は、腕を引っ張ると肩を痛める恐れがあるので、腰ベルトなどをつかむようにします。転倒する前兆として歩幅が狭まる、または足が上がらなくなるなどの変化が起き、転倒に至ることが多くあります。観察を詳細に行いましょう。

歩行と階段昇降時のポイント

歩行時は歩行順序を声に出しながら支持しますが、看護師は患者さんの横転に備えて患者さん側を向き、横歩きするようにするとよいでしょう。

ポイントは、患者さんのリズムに合わせて慌てずゆっくり歩行すること、そして、自分が付き添っているので安心して歩行するよう伝えることです。

階段の昇降については、上がる場合には杖→健側→患側の順に、降りる場合には杖→患側→健側の順に1段ずつ体重移動するように動作します。このとき看護師は、上がるときには患者さんの患側の少し後方に位置し、逆に降りるときは患者さんの患側の少し前方に立つと、転倒・落下を予防しやすくなります。

(「ナース専科マガジン」2010年5月号より転載)

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