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【連載】基礎から学ぶ 漢方薬ガイド

第4回 漢方での病気のとらえ方

監修 西村 甲

鈴鹿医療科学大学 鍼灸学部 教授

Kanpou

第1回にも登場した「未病」に代表されるように、漢方には病気に対する独特の考え方があります。今回は漢方医学でいう病気と病名について少しお話ししておきましょう。


漢方での病気のとらえ方

漢方医学では、身体に悪影響をもたらすものを「邪」あるいは「病邪」と表します。前述したように陰陽論を医学理論としている漢方医学では、この病邪にも虚実があると考えます。

体内に入って何らかの障害を引き起こすほどに力が強いのが「実」、体内に入っても病気を引き起こすほどの力がないのものが「虚」という具合です。

この考え方は、これまで述べた人の虚実とはちょっと異なっているので注意が必要です。ただ、病邪が虚の場合、病気は通常発症しないので、病邪と実と患者の気の虚について対比することになります。

したがって、「実証」であることは、必ずしも健康な状態であるということにはなりません。例えば、病邪によってイライラ感が高い場合には「実証」となり、気逆による気の流れの逆行の程度が強い状態にあるということになります。

特に漢方では、陰陽、虚実ともにどちらかに偏ることはよくないとされ、バランスを保った「中庸」が正常とされます。

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