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【連載】女性のがんのケア

第1回 医療の進歩とその特徴からみる女性のがん

解説 佐々木常雄

がん・感染症センター 都立駒込病院 名誉院長

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分子標的治療薬のさらなる開発が待たれ、そして将来、HPVワクチンによる子宮頸がんの激減が期待されます。

それとともに今後は検診の普及が大きなカギとなります。


着実に進歩を遂げている女性のがんに対する治療

乳がん、子宮がん、卵巣がんは、女性の性と密接に結びついており、女性特有のがんといえるでしょう。ここではこれらを「女性のがん」としてお話しします。

がん治療は大きな進歩を遂げ、早期がんであれば多くのがんは、手術などで完治するようになっています。女性のがんでは、特に乳がん治療の進歩が目覚ましく、多くの治療薬が開発されています。

乳がんの化学療法では、長年スタンダードだったドキソルビシンとシクロホスファミドの併用療法にドセタキセルが加わり、さらにトラスツズマブやラパチニブといった分子標的治療薬が開発されて、生存率も延びてきました。分子標的治療薬は、治療の進歩を後押しするものとして、さらなる開発に期待が寄せられています。

ホルモン依存性のある乳がんには、治療法としてホルモン療法があることも大きな特徴です。例えば、手術後骨のみに転移再発した場合は、ホルモン療法を行い、さらには放射線治療を行うことで成果がみられています。

化学療法により腫瘍を小さくしてから手術すること(術前化学療法)も行われ、さらに手術後の放射線治療などにより、乳房温存率が高い時代になってきました。

また手術においては、センチネルリンパ節への転移の検索で、リンパ節郭清をどうするかが決められるようになりました。

卵巣がんの化学療法は、パクリタキセル、カルボプラチン併用療法が標準化学療法として行われています。

一方、子宮がん治療は手術療法が中心ですが、若い人に多い子宮頸がんに限っては予防ワクチンが使えるようになったことは非常に大きなトピックスです。

ワクチン接種が普及すれば、将来、子宮頸がんの罹患率が目に見えて減少すると考えられます。一方、高齢者に多い子宮体がんは増える傾向にあり、この治療法のさらなる開発が期待されます。

※続いては、検診の重要性について解説します。
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