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【連載】呼吸器3大疾患のケア

【肺炎】押さえておきたい症状管理のポイント

解説 田中一正

昭和大学 教授

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

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日本呼吸器学会の成人市中肺炎診断ガイドラインでは、まず非定形肺炎と細菌性肺炎に鑑別してから、治療にあたる方法を採っています。

ここでは、市中肺炎で第一の標的となる細菌性肺炎を中心に、鑑別による治療薬の選択も含めて、そのケアのポイントをピックアップしていきます。


服薬指導

入院治療では、投与している抗菌薬に効き目がみられないとき、あるいは培養によって菌が確定し、より狭域の薬剤で対応できるとわかったときには、速やかに抗菌薬を変更する必要が生じます。

また、外来治療の場合、抗菌薬は5日程度の処方になることがほとんどです。飲み始めて2縲怩R日たつと、多くの場合は症状が軽快します。すると患者さんは病気が治ったと思い、薬を飲むのを中止してしまいがちです。

しかし、この状態で薬を止めると、弱い菌は死んでも強い菌は生き残っている可能性が考えられます。処方日数は、存在する可能性のある複数の菌を除くのに必要な時間です。

途中で止めると、体内に耐性菌を作りかねないことを患者さんにきちんと説明し、理解してもらうよう努めましょう。

酸素投与

低酸素血症の恐れがある場合は、バイタルサインとともにサチュレーションのチェックが重要となり、症状が悪化すると酸素投与や人工呼吸器が必要になります。

低酸素血症の程度は、体位や活動に影響されるので、患者さんの状況に応じてSpO2をチェックする必要があります。PaO2の正常値は、青年から壮年では教科書通りの80Torr以上ですが、高齢者では正常値は徐々に低下し、90歳で50Torr程度に下がります(図)。

このようにPaO2は年齢によって正常値が異なるので、教科書通りの正常値にとらわれずに、患者さんの年齢や現時点での病態、基礎疾患の3つの要素を合わせてアセスメントすることが大切です。

また、酸素投与の指示が出たら、それは安静時だけでなく、歩行時などにも酸素投与が必要だということです。患者さんはベッドでは酸素吸入をしていても、トイレに行くときは酸素を外していて、SpO2が下がっている、ということがないようにしてください。

PaO2の評価

図1 PaO2の評価

年齢別のPaO2の正常値

図2 年齢別のPaO2の正常値

>>次ページでは「水分管理」「誤嚥性肺炎」について解説します。