【連載】初歩からわかる看護研究

Step9【看護研究】研究計画書の書き方(その3)

監修 富田真佐子

四国大学看護学部看護学科・教授

前回では、研究計画書の構成と、研究テーマ、研究の背景と動機の書き方について解説しました。今回は研究計画書の中の「研究方法」の書き方を倫理的配慮も含めて、説明していきます。


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倫理的配慮を含む研究方法に関する書き方

ではType別に、研究方法に関する書き方を説明していきましょう。(タイプについては【Step2】現場のギモンはテーマのモトを参照してください)

Type1因子検索研究の場合は「答え」を導き出すための方法、Type2実態調査研究、Type3関係探索研究、Type4比較研究、Type5で準実験研究は、概念枠組みに書いた「答え」を確認するための方法、Type6実践報告では実践方法と評価方法の2種類について具体的に書いていきます。

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実践方法(Type6実践報告の場合のみ)

Type6実践報告では、先に実践方法について述べます。例えばアセスメントシートを作成しそれを活用するのなら、その作成方法とアセスメントシートの内容、誰を対象にどのように行うのか、実践の手順を書きます。

研究対象者(Type6実践報告では評価の対象者)

ここで必要なのは、どのような人を対象とするのか、概念枠組みにも書いた対象者の条件です。年齢や性別、社会背景や疾患のタイプ、入院または外来患者さんなど、対象とする条件を詳しく書きます。

研究目的は、研究によって何を知りたいのかを簡潔に述べます。研究の目的は研究疑問についての答えを明確にすることです。ですから、多くの場合は研究疑問をアレンジすると研究目的にすることができます。その条件をもった対象者を選ぶ方法についても明記しておきましょう。

データ収集方法(Type6実践報告では評価データの収集方法)

データの収集方法では、面接法や質問紙法などデータ収集手段とその内容、手順を述べます。データの内容は、質問紙法なら質問項目の内容です。質問項目は今後説明していきますが、概念枠組みに書いた「答え」が質問項目になります。

手順については、例えば質問紙法なら、いつ、どこで、どのように質問紙を配布し回収するのか具体的に示します。

Type5準実験研究の場合は、実験の方法を具体的に提示します。実験は同じ方法で統一して行わなければ、効果を判断することができません。手順や内容を詳しく書いておきましょう。何か機器を使って測定するなら、測定用具と測定内容の説明も必要です。

分析方法

データ分析は、研究のタイプによって異なります。後の回で詳しく説明していきますが、データが数字なら記述統計や推測統計の手法など、データが言葉なら言葉の分析方法について明らかにしておきます。数字の分析では、収集するデータの質問の仕方や答え方によって統計手法が異なりますので、あらかじめ決めておきます。

倫理的配慮

研究対象者の権利や尊厳をいかに守るかを、具体的に書きます。対象者への説明と同意を得る方法、研究参加・中断の自由、プライバシーの確保、安全安楽の確保、尊厳の守り方、予測される問題と対処方法などです。

特に最近は倫理的配慮が重要視されています。研究計画書を倫理委員会に提出する場合も多く、詳細に記述することが求められています。研究の倫理的配慮については次回で詳しく説明します。

その他

その他、研究にかかる予算とスケジュールについても述べておくとよいでしょう。以上、第11回、第12回、今回まで研究計画書の書き方について説明しました。研究計画書を書くと、何をする研究なのか自分のなかで明確にすることができ、迷わず前へと進むことができます。

研究計画書をしっかり書いておくと、最後に論文を書くときに、研究計画書のかなりの部分がそのまま使えます。論文を書くときのためにも、手を抜かずに書きましょう。

また研究計画書は倫理委員会へ倫理審査の申請をしたり、協力施設に研究を依頼したりする時にも必要になります。自分だけではなく、研究計画書の読み手が十分に理解でき、納得できる内容でなければなりません。

次回は、倫理に配慮するポイントについて説明します。

(「ナース専科マガジン」2010年2月号より転載)

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