【連載】検査説明これだけガイド

MRI検査(MRCPやMRAなど)|看護師の役割と検査説明のポイント

解説 荒川直美

東京慈恵会医科大学附属病院 グリーンカウンター 看護主任

これから受ける検査について患者さんから質問されたとき、どう答えていますか? ここでは、頻度の高い画像検査に絞って、看護師が患者さんへ説明する際に知っておきたい検査のポイントを解説します。今回は、MRI検査についてです。


MRI検査とは?どんな検査?

強い静磁場の中に人体を置き、体内に存在する水素イオンの陽子(プロトン)に共鳴ラジオ波を照射すると、共鳴現象によってエネルギーが放出されます。MRIはその信号をキャッチし、画像化する検査法です。

MRI検査には、造影剤を使用しない単純MRIと造影剤を使用した造影MRI、胆嚢・胆管・膵管を抽出するMRCP、血管を抽出するMRAがあります。使用される造影剤には、陽性造影剤のオムニスキャン®、プロハンス®、マグネビスト®、陰性造影剤のフェリデックス®、経口造影剤のフェリセルツ®などがあり、消化管造影MRIやMRCPでは経口投与、そのほかは一定速度で静脈注射されます。

検査中は、検査部位別の専用コイルを装着し、寝台に横になった状態で狭い筒状のガントリー内に入って検査を受けます。縦・横・斜めといった任意の方向からの断面画像の撮影ができます。

MRI検査で何がわかるのか

コントラストが得られた画像によって、診断だけでなく治療・手術の際の病変部位の位置、周辺臓器との関係なども把握できます。また、骨や石灰化の影響を受けることがなく、脳内の構造を詳細に画像化することができます。

最も多く実施される領域は脳・神経・脊髄で、主な適応は次の通りです。

頭部

脳梗塞、脳出血、脳動脈瘤、くも膜下出血、脳腫瘍、アルツハイマー症候群、パーキンソン病、多発性硬化症、髄膜炎、頭蓋骨折など

胸部

肺気腫、肺がん、肺線維症、胸部大動脈瘤、胸腺腫、悪性リンパ腫、食道がんなど

腹部

肝臓がん、膵臓がん、腹部大動脈瘤など

骨盤内

子宮がん、卵巣がん、前立腺肥大、前立腺がんなど

脊椎

脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性脊椎症など

検査前にこれを伝える

  1. 正確な画像を得るため、息止めや鎮静指示などで患者さんの協力が必要になること、また検査部位によって所要時間が異なるので、検査時間を詳しく伝えます。
  2. 体内に人工関節や金属類が入っている場合には、磁気共鳴によって身体や検査結果に影響を及ぼすことがあります。手術の経験はあるが、体内に金属が入っているかどうかわからない場合には、執刀先の病院に確認します。
  3. 人工内耳が入っている場合には、磁気により影響を及ぼす可能性があるため、主治医と人工内耳業者の立ち会いが必要となることを伝えます。
  4. 眼鏡、入れ歯、かつら、補聴器、カラーコンタクトレンズなどは検査前に外してもらいます。マグネット式の入れ歯の場合、磁力がなくなるなど破損する可能性があるので確認が必要です。
  5. 入れ墨がある場合は原則、検査を受けることができません。
  6. MRCPと上腹部検査では検査の4時間前から絶飲食となります。その他の検査については、検査当日も通常の食事・服薬が可能です。
  7. 検査の間は工事現場にいるような騒音があるので、ヘッドフォンなどの対処法を説明します。
  8. かゆみや嘔気・嘔吐、動悸、発疹などの症状が出たり、閉所で緊張感が高まり気分が悪くなったら、早めに知らせるように伝えます。

持ち込めない物リスト

入れ歯、補聴器、眼鏡、カラーコンタクトレンズ、かつら、時計、携帯電話、磁気カード類、携帯音楽プレーヤー、ヘアピン、ベルト、金属の付いた下着、貼付薬(ニトロダームTTS%reg;、ニコチネルTTS%reg;)など

検査後にこれを伝える

  1. 検査後は安静や食事制限がないので、造影剤による副作用の症状が出現していなければ、通常の生活に戻ることができます。
  2. 造影剤は腎排泄されるので、十分に水分を摂取するように指導します。水分制限のある患者さんについては、医師の指示を受けます。
  3. 経口消化管造影剤の使用では軟便、下痢などの症状が起こる場合がありますが、これは含有しているマンガンによるもので、特に心配はありません。ただし、遅発性副作用もあるので、帰宅後に副作用の症状が出たら連絡するように伝えます。

特に注意が必要な患者さん

  1. 妊娠16週目未満の妊婦 安全性が確立されていません。
  2. ペースメーカー装着者
  3. 心臓手術や頭部手術、その他大きな手術経験
  4. 人工関節や金属(ステント、義眼、義手、義足)が入っている
  5. 閉所に恐怖感あるいは圧迫感がある
  6. 腰痛など身体に痛みがある 枕などで安楽な姿勢が取れるように工夫します。

患者さんによく聞かれること

Q アートメイクをしていても検査できますか?

A 金属を含有していることがあるので、できれば避けます。眉などに施すアートメイクも入れ墨と同じです。

CTに変更可能であれば調整を考えます。検査部位と離れていて医師が検査可能と判断すれば実施もできますが、その場合、本来は避ける検査であること、熱さを感じたらすぐに知らせることを説明します。

また、化粧品によっては金属を含有しているものがあるので、低温やけどをする場合があります。マスカラやアイシャドー、ネイルアートなどはできるだけ落とすように伝えましょう。

*次回は「超音波検査」について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年8月号より転載)

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