【連載】検査説明これだけガイド

血管造影検査|看護師の役割と検査説明のポイント

解説 荒川直美

東京慈恵会医科大学附属病院 グリーンカウンター 看護主任

これから受ける検査について患者さんから質問されたとき、どう答えていますか? ここでは、頻度の高い画像検査に絞って、看護師が患者さんへの説明時に知っておきたい検査のポイントを解説します。今回は、血管造影検査についてです。


血管造影検査とは?どんな検査なのか?

血管造影検査とは、血管から造影剤を注入し、病変部の血管内をX線で連続撮影する検査法です。検査には主に、頭部(脳)血管造影、腹部血管造影、冠動脈造影(心臓カテーテル)などがありますが、最近では治療目的に実施されることが多くなっています。非常に侵襲性が高い検査のため、当院では入院で行います。

使用される造影剤には、イオパミロン®、イオメロン®などがあります。

冠動脈造影検査では、鼠径部(大腿動脈)や上肢(上腕動脈、橈骨動脈)などから、直径1.2mm程度のカテーテルを挿入し、検査部位まで進めて撮像します。

血管造影検査で何がわかるのか

血管内の走行や血流の状態、形態的な異常の発見、疾患の診断、治療方針の決定、抗がん剤注入などを目的に行われます。

主な適応は次の通りです。

脳腫瘍、脳動脈瘤、脳動脈奇形、脳出血、くも膜下出血など

腹部

肝臓がん、胆嚢がん、胆管がん、膵臓がん、腎臓がん、腹部大動脈瘤、消化管出血など

心臓

狭心症、心筋梗塞、先天性心疾患、心臓弁膜症、冠動脈狭窄、大動脈バイパス術後の評価など

検査前にこれを伝える

  1. リスクが高い検査なので、家族同席のもとで説明と検査が行われます。疑問な点などがあれば再度医師から説明をしてもらうなど、患者さんの不安を軽減するように支援します。
  2. 入院前の活動や飲食に関しての制限はありませんが、検査当日は、検査が午前中の場合は朝食止め、午後の場合は昼食止めになります。
  3. 検査後は入浴制限があるので、入院前日までに入浴を済ませるよう伝えます。
  4. 検査後、上肢からの挿入では穿刺側の腕を曲げずに1時間の床上安静(座位は可能)、鼠径部からの挿入では6時間の絶対安静が必要です。その間は食事や排泄も床上になるので、スプーンやストローなどがあると便利です。
  5. ビグアナイド系薬は休薬が必要なことがあります。その他の内服薬に関しては、当日持参してもらい医師の指示を得ます。
  6. 局所麻酔の前投与があること、造影剤注入時には熱感があることを伝えます。

検査中にこれを伝える

  1. 家族には検査終了まで待機するよう伝えます。
  2. 痛みや気分不快などの症状があったら知らせるように説明します。

検査後にこれを伝える

  1. 穿刺部の圧迫止血には安静が必要なため、体位などに苦痛があれば知らせるよう伝えます。
  2. 造影剤は腎排泄されるので、十分に水分を摂取するように指導します。水分制限のある患者さんについては、医師の指示を受けます。

特に注意が必要な患者さん

  1. 腎不全 造影剤を多めに使用するので、水分制限のある患者さんについては、医師の指示を受けて排泄を促します。
  2. 糖尿病の既往がある 血管が脆弱なためカテーテルや造影剤注入で血管壁を損傷し、出血のリスクが高まります(動脈硬化も同様)

患者さんによく聞かれること

Q なぜ入浴制限があるのですか?

A 心臓の安静と刺入部創からの感染を防ぐ必要があるからです。

検査終了後に入浴制限があるのは、入浴による急激な血圧の変動を避けることで、心臓血管への負担を最小にし、心臓の安静を図り循環動態を保つためです。併せて、カテーテル刺入部からの出血や感染を防止する目的があります。入浴は医師の指示により順次許可されます。

*次回は「内視鏡検査」について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年8月号より転載)

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