【連載】つれづれ呼吸ケア日記

第8回 11月14日は世界COPD(慢性閉塞肺疾患)DAY!

執筆 麻生七緒

内科病棟に勤務する、入職3年目のナース

「肺炎」「気管支喘息」とともに、臨床でよく出合う呼吸器疾患として挙げられる「COPD」。根本的な治療法がないため、早期発見と、適切な治療を続けて悪化を防ぐことが求められます。今回はCOPDの病態生理、注意したい症状、主な治療法をおさらいします。


世界中で増加の一途

今日、ふと院内の掲示板を見たら、「11月14日は世界COPDデー」のポスターを発見した。最近、COPDの患者さんが増えてきたせいか、芸能人がかかりつけ医の受診をCMで呼びかけたり、気軽に肺年齢を調べられるサイトができたりして、啓発活動が盛んになってきたような気がする。 喫煙所でうちの病棟の患者さんを見かけることも多いしなぁ。「世界COPDデー」も近いことだし、COPDについて基礎からチェックしてみよう! まずは、病態生理からおさらい。

※続いては、COPDの病態生理、主な治療法と対応法についておさらいします。

病態生理

COPD(慢性閉塞肺疾患)とは?

COPDは、肺の末梢気道に慢性的な炎症が生じて、気道が狭くなったり、肺胞が破壊されてガス交換ができなくなるため、気流閉塞(十分な換気量が得られない状態)が起こる疾患。

換気がうまくいかず肺が過膨張になると、肺を支えている横隔膜が下がり、十分に上下運動ができなくなり、息を吸い込む力が減少。そのため、斜角筋や胸鎖乳突筋など呼吸補助筋を使って、肩があがるような呼吸が見られるようになる。重症化すると、低酸素血症に高炭酸ガス血症を伴うII型呼吸不全に至る。

そういえば、新人のころ、先輩に「COPDと慢性呼吸不全のちがいを説明してみて!」といわれて、うまく答えられなかったことがあったなあ。ここでもう一度、COPDと慢性呼吸不全のちがい、注意したい症状を振り返ってみよう!

COPDと慢性呼吸不全のちがい

(「ナース専科マガジン」2011年10月号より転載)

注意したい症状

(「ナース専科マガジン」2011年10月号より転載)

早期発見と治療の継続がカギ

基礎知識を学んだあとは、治療法と対応法についておさらい!

主な治療法

根本的に直す治療法はないが、少しでも早期に発見し適切な治療を続けることで悪化を防ぐことが可能。禁煙、抗コリン薬やβ2刺激薬などの気管支拡張薬による薬物療法が中心となる。さらに、呼吸リハビリテーションを組み合わせる。

増悪を繰り返す場合

吸入ステロイド薬を使用し、重度の低酸素血症をきたした場合は、在宅酸素療法(HOT)またはNPPVが適用になる。

急性増悪時

気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬)吸入を行う。高度の気流閉塞がある場合は全身性ステロイドの投与。また、膿性の痰を認めたら抗菌薬を投与する。NPPVによる換気補助療法が行われることもある。
ただし、意識レベルが低下したり、ショック状態や呼吸停止状態にあるときは、ただちに気管挿管し、人工呼吸器管理となる。

SpO2低下が起こった!

患者さんが苦しそうにしていたり、SpO2が低下していたときのケアのポイントもおさえておこう。

SpO2低下の要因

疾患の影響による換気不良が続いているので、日常的に低酸素傾向にある。 そういった状態のまま症状が進行すると、労作時に呼吸困難を起こし、トイレに行ったり、食事をしたりといった日常生活上の動作をするだけで、SpO2は低下する。

対応

POINT1
COPDは、患者さんがどの程度体を動かすとSpO2が低下するのかを把握しておくことが大切。 入院後1~2日ぐらいまでの間に基本的な日常生活動作時のSpO2の変化を確認するようにする。すでに酸素療法を実施している患者さんの場合も同様。

POINT2
酸素流量は主治医の指示に従うが、その前に患者さんに活動(起き上がる、ポータブルトイレを使うなど)してもらい、それぞれの動作の際にどのぐらいの酸素流量で楽になるか、看護師がその目安をあらかじめ確認できるようになるとよい。 POINT3
COPDの患者さんは酸素の過剰投与でCO2ナルコーシスを起こす恐れがあるので、労作終了時には必ず酸素の使用を止める(流量を元に戻す)よう指導を徹底すること。

POINT4 呼吸状態の改善には、ほかに口すぼめ呼吸や腹式呼吸なども効果的。 ★今日のつぶやき★ 適切なケアを身に付けて、少しでも患者さんの負担が軽くなるようにサポートすることももちろん大切だけど、これからは予防にも力を入れていかなきゃ! まずは、禁煙指導からだな。どうしたら患者さん、禁煙してくれるかな~。

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