【連載】500人のギモン&お悩み徹底解決

真空管採血の正しい手順は?

解説 瀬尾智美

千葉大学医学部附属病院看護部

解説 新井加代子

千葉大学医学部附属病院看護部

採血は、基本的な看護技術です。しかし、経験を積んだナースでも患者さんによっては、採血するのが難しいというケースも……。今回は、真空管採血のポイントを再確認していきましょう。


【採血のまとめ記事】
* 採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等)

Q 真空管採血の正しい手順とポイントを教えてください。

A 穿刺の際の看護師のポジショニングと、駆血帯を外すタイミングがポイントです。

採血には真空管採血とシリンジによる採血があります。近年、成人では一般的に真空管採血が用いられており、採血針または翼状針のどちらかが使用されています

ここでは、以下に翼状針を用いた真空管採血の手順を紹介します。

物品のセッティングも技術のうち

1.採血の指示書を確認する

当院では「採血ワークシート」を用いており、患者氏名とID番号、採血項目をダブルチェックし、採血ラベルを真空採血管に貼ります。

2.必要物品を準備する

採血に必要な物品をトレイに準備します。

3.手洗いを行う

4.患者さんへ説明する

患者さんに採血の目的と採血量を説明します。次に真空採血管に貼ったラベルを一緒に見ながら、氏名、ID番号、採血量を確認します。意識のある患者さんは、本人に名乗ってもらって氏名を確認します。

5.穿刺の準備と物品をセッティングする

肘部からの採血であれば患者さんの肘の下に小枕を置き、穿刺部をしっかりと伸展させます。肘の小枕の上には、防水シーツを敷き血液汚染を防止します。

物品(真空採血管、消毒綿、固定テープ等)をどこにセッティングすれば自分が困らないかを考えるのも技術のうちです。正しい手順でシミュレーションを繰り返し行い、実施しやすい環境を自分でみつけてください。

駆血時間は2分以内に

6.血管を選択する

患者さんに苦痛を与えないために、自信がなければ手袋装着前に、患者さんの腕をしっかり伸展させ、駆血帯を巻き、直接血管に触れて走行・怒脹の具合を確認し、穿刺部を特定します。

駆血時間は2分以内とし、それ以上かかる場合は、一度駆血帯を外してから巻き直します。

※できるだけまっすぐに走行する血管を選択し、血管の走行と並行に穿刺できるような立ち位置をとるようにします。

7.部位を消毒する

アルコールによるアレルギーの有無を確認してから、穿刺部位を消毒します。穿刺部位を中心に外側に向かい、円を描くように消毒します。

※アルコール過敏症の人には、当院では主にステリクロン(グルコン酸クロルヘキシジン)を使用します。血液培養時は10%ポビドンヨードを使用しますが、ヨードアレルギーの確認は必須です。

8.穿刺する

消毒が乾いたことを確認し、針先の刃面を上に向け、静脈を皮膚の伸展とともに固定し皮膚に対して15°程度の角度で刺入します。このとき患者さんに手のしびれや強い痛みがないか必ず確認しましょう。

翼状針の根本の逆流により針先が血管腔に入ったことを確認したら、血管腔内を進ませる感覚で奥に刺入していきます。

※先が血管腔に入ったら、針を奥に進ませるのは5mm程度です。それ以上になると血管を突き抜けてしまう恐れがあります。

9.採血管で採血する

穿刺部がずれないようにしっかりと固定し、真空採血管をまっすぐに、しっかりとホルダーに差し込みます。採血本数が多く手技に慣れていない場合は、テープで翼状部分を固定すれば、採血管の差し替えだけに気持ちが集中できます。

必要量を採取しホルダーから抜いた採血管は、採血管内の抗凝固剤など薬剤の影響があるため必ずゆっくりと混和してください。

圧迫止血は真上から押さえる

10.採血菅を抜き、駆血帯を外す

必要量をすべて採り終えたら、ホルダーから採血管を抜き、その後駆血帯を外します。

※駆血帯を外すタイミングは、ホルダーから採血管を抜いてからです。真空採血針を使用した場合、凝固剤などの薬剤が入っている採血管では、採血管を抜く前に駆血帯を外すと、その瞬間に採血管内で薬剤に触れた血液が、血管内に引き込まれる危険があるため特に注意が必要です。このタイミングを間違えないようにしてください。

11.抜針する

消毒綿で刺入部を押さえながら、針を抜きます。抜針後の針は廃棄容器に直接捨てるか、患者さんに危険のないような場所に離して置きます。その後、患者さんに説明して圧迫止血してもらいます。抗凝固薬を服用している患者さんには、圧迫時間を長めに伝えます。

※圧迫止血は、真上から押さえることが大切です。患者さんにはもまないように説明し、通常は5分程度圧迫します。

12.採血後には穿刺部の観察を行う

圧迫止血後に完全に止血されているかどうかを確認します。

※確実に止血ができていない場合、皮下出血を起こすことがあります。患者さんには、「2、3日で吸収されること」などを説明し、安心できる声かけに努めます。その後は引き続き経過を観察します。

ワーファリンなど抗凝固薬を服用している患者さんの場合は、皮下出血斑部位をマーキングしておき、経過観察に努めます。

(「ナース専科マガジン」2010年5月号より転載)

次回は呼吸管理・吸引についてのギモンを解説します。

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