• 公開日: 2018/8/29
  • 更新日: 2020/3/26

【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第4回 ゼロから訪問看護を立ち上げる

500円で健康診査が受けられる「ワンコイン健診」で注目を浴びるケアプロ。同社が、3.11の被災地支援の経験から必要性を痛感して立ち上げた、訪問看護ステーションの奮闘記を連載します。第1章は「訪問看護起業前夜」です。


ゼロから訪問看護を立ち上げる

私たちはとうとう、ゼロから訪問看護ステーションを立ち上げることを決めた。そこで、まずは手始めに、大先輩の訪問看護ステーションで現場研修をさせていただいたものの、手探りの中でのスタートだった。

そして今、ケアプロが立ち上げた訪問看護ステーションの看護師は、次のような日々を送っている。

朝8時半に出社して、更衣や訪問バックなどを準備し、午前に2件訪問し、昼食をとって、午後に3件訪問する。17時にオフィスに戻ると、主治医やケアマネジャーに報告や相談をする。「Aさんは、心不全の疑いで入院になった」「Bさんは、腹水が溜まっても痛い治療(穿刺)はしたくないということ」「Cさんは、次回は家族と看取りの時期や準備についてお話します」――などの会話がある。

そして、計画された訪問以外に緊急対応もある。

例えば、下肢の蜂窩織炎(足の炎症)で傷の処置を目的として訪問していた方がいた。その方は、糖尿病や心臓病の持病があったが、朝方具合が悪いと電話があったため緊急訪問。しかし、家のドアの鍵が開いておらず声をかけても返事がないため、窓から侵入。すると、利用者が口から泡を吹いて意識が朦朧としており、すぐに救急搬送し、一命をとりとめた。

当番の看護師は夜間に備えて携帯電話を持って帰り、必要時は夜間も出動する。

事例:ケアプロが対応している事例の数々

(1)終末期がんのAさん。酸素ボンベを持ちながら田舎に最期の帰省をサポート。

(2)頸髄損傷で四肢麻痺のBさん。「日中は仕事なので、夜間訪問してくれて助かる。24時間365日対応して頂ける所があって初めて、本当の意味で障碍者の自立と社会参加が可能になる。その意味で、ケアプロは砂漠のオアシスである」と仰って頂けました。

(3)糖尿病で足の傷が蜂窩織炎起こしていたCさん。毎日の処置で約3か月で寛解。

(4)肺腺がんのDさん。在宅で家族に見守られて看取り。

蜂窩織炎の写真と3か月で寛解した写真

毎日の処置ができたからこそ、3か月で寛解に

※次回は、ケアプロが考える在宅医療のあり方についてです!

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