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【連載】500人のギモン&お悩み徹底解決

気管吸引 実施の見極めポイント

解説 佐藤克行

千葉大学医学部附属病院看護部 副看護師長 呼吸療法認定士

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気管吸引は2時間ごとなど、時間を決めて定期的に行うものではなく、実施するかどうかはアセスメントを行って決定します。
では、アセスメントの際はどこを見て判断するとよいのでしょうか。
今回は、気管吸引が必要かどうかを見極めるためのアセスメントのポイントを解説します。


Q 時間ごとに定期的に吸引を実施しているのですが、その頻度は一般的にどのぐらいが適しているのでしょうか。また、本当に必要なタイミングの見極めはどのように行えばよいでしょうか。

A 気管吸引は定期的に行うべきものではありません。アセスメントによりその必要性を評価し、実施するようにします。

気管吸引を行うのは必要な時だけ!

気管吸引は、分泌物による気道の狭窄や閉塞が生じている場合以外は、必要以上に行うべきではありません。適応になるケースとしては、(1)気管切開や気管挿管などを行っている場合、(2)患者さん自身で効果的に気道分泌物の喀出ができない場合があります。

実施にあたっては、視診、聴診、打診などフィジカルアセスメントの技法を活用し、患者さんの状態を観察・評価します。具体的には、視診により、(1)痰などの分泌物が気管チューブ内に上昇してきているか、(2)胸郭の動きの左右差や呼吸時の振動がないか、(3)表情や体動から呼吸状態が苦しくないか、をみます。

次に肺を聴診し、(4)副雑音(断続性ラ音、喘鳴)が聴取されたり、呼吸音が弱くなっていないかを、さらに胸を打診して、(5)清音から濁音への変化から横隔膜の高さを推測し、胸水や無気肺の有無と程度を確認します。

最後に(6)人工呼吸器の気道内圧の上昇、換気量の低下、呼吸流速の低下、(7)人工呼吸器と呼吸のリズムが合わなくなっていないか(バッキングの有無)を確認します。

気管吸引は「何時間おき」などルーチンで行うべきではなく、このようなアセスメントを行ったうえで、必要な場合のみ実施するようにします。過度な吸引は合併症のリスクを高めることになります。

(「ナース専科マガジン」2010年5月号より転載)

【吸引のまとめ記事】
* 吸引の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コツ