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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第23回 お寺の息子が看護師に!?

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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今回の主役は、ケアプロ訪問看護ステーション東京、今春の新入社員・小瀬文彰。新入社員と言っても小瀬は大学生時代から、ケアプロで一年以上インターン生として働いていた経歴をもつ。彼は、300年続く寺の長男という一見変わった生まれである。そんな彼がなぜ看護師になったのか、そして訪問看護師を選んだのか、話を聞いてみた。


好きな子×漫画がきっかけに

僕の実家は、名古屋で300年の歴史を持つ寺です。しかも僕は長男。小さい頃から着物を着て、父親と一緒に、檀家さんの家を回っていました。だから将来は、僕も父と同じことをするようになるとわかっていたし、そのことを誇りにも思っていました。

そんな僕の人生が看護の方向に向いていったきっかけは、高校生の頃、好きだった女の子が看護師志望だったことです。はっきり言ってよこしまなきっかけでした(笑)。当然のことながら、看護というものが何なのか、男でもできるのか、全然わかりませんでした。

ただ、ちょうどそのころ、『ナースあおい』という漫画に出会い、そのとても現実的な内容に、看護師ってめちゃくちゃおもしろそうだ!と思ってしまったのです。それまで特に勉強したいこともなかった僕が、「好きな子×漫画」をきっかけに、看護の勉強をしたいと熱望するようになりました。

受験では、慶應義塾大学看護医療学部を進路先に選択したのですが、父親には心からは認めてもらえませんでした。父としては寺を継いでほしかっただろうし、また多くの檀家さんの期待もありました。友達にも「お前が継ぐべき」と言われたり。 そんなことがあって、進路選択の時期には毎日本当に泣いていました。高校生の男子が毎日泣くなんておかしいですよね。でもあの頃は、看護を学びたい気持ちと生まれ持った役割との葛藤が本当につらかったのです。

しかし結局、親の想いを裏切り、慶應への入学を果たしました。大学入学後は、看護の道を選んでよかったと改めて確信でき、やっとすっきりしました。

小瀬さんの写真

入社式で撮影したスナップショット。新人ホヤホヤの小瀬

インターン、そして入社宣言

ケアプロに出会ったのは、社長の川添さんが、大学の先輩だったという縁がきっかけでした。まもなくインターン生としてケアプロに参画することになり、やりがいのある仕事を多く任され、充実した日々でした。その後、就活の時期になって、再び自分の進路を考えた時には、コンサルタントも学べる病院に就職すべきか、ずっと悩んでいました。

でも、必死にケアプロで働いていたある日、ふっと「やっぱりケアプロで働きたい」と思ったのです。ケアプロの環境は、完璧に整っているとはいえませんが、仲間に恵まれている、頑張ったら頑張った分だけ自分の成長につながると思い、ケアプロに入社宣言をしたのです。

訪問看護は新卒だってできる

入社後は、在宅医療事業部で、新卒訪問看護師として働く予定です。いまから、去年できたばかりのこの部署で働くのが楽しみで仕方ありません。訪問看護師のみなさんは、訪問業務に日々追われているため、部署のシステムが未発達な面が多いのです。僕はそのてこ入れをしていきたいと思います。いずれはケアプロで医療ビジネスのコンサルタントもやっていきたいです。

僕のような大学を卒業したての男が、訪問看護師として働くことは、看護業界ではそう多いことではないと思います。僕が新卒訪問看護師を身をもって経験し、その経験をもとに新卒訪問看護師のための教育プログラムをつくります。また、訪問看護をやりたくても踏み出せない若手が一歩踏み出せるような前例になりたいのです。

ずーっと、僕が看護師をすることを心からは許してくれなかった父ですが、ケアプロの社長がテレビに出たのを見ていてくれて、「お前のやりたいことが少しわかった気がする」と言ってくれました。 たくさんの人の期待に反してこの道を選らんだことを後悔しないように、とにかく今は全力で突っ走るだけです。

※次回は、訪問看護師、栗原さんのインタビュー、月曜配信です。

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