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【連載】急がば学べ! 呼吸のしくみ

第4回 「酸素瀑布図」から酸素分圧(PO2)の変化を読み取ろう

解説 宮川哲夫

昭和大学大学院 保健医療学研究科 呼吸ケア領域 教授

今回は、SpO2が低下したときのアセスメントを学びます。SpO2は身近な検査値であるため、ついルーチンのチェックになってはいないでしょうか。数値の増減だけでなく、それがどのような意味を持つかを知ると、その後の対応が判断できるようになってきます。


酸素の流れとPaO2の変化

呼吸は体内に酸素を取り込むことが大きな役割です。体内に入った酸素の様子を示しているのが「酸素瀑布図」です(下図)。

酸素瀑布図

酸素瀑布図

この図を通して、酸素量の変化の過程を知っておくと、なんらかの疾患でSpO2低下が生じた場合、体内のどの段階で何が起こっているのかがイメージしやすくなります。

変化は酸素分圧(PO2)で示されます。大気から細胞まで、酸素が体内の隅々に運ばれて、組織に取り込まれていく過程を理解してください。

まずスタートとなる大気の酸素分圧は、1気圧の値(760Torr)と酸素濃度(21%)で求められ、760×0.21≒160Torrとなります。

それが吸入気になると、気道内の飽和水蒸気圧が加わるので150Torrに減少します。

吸気に含まれている酸素は気道を通り肺胞に運ばれますが、呼吸するたびに肺には少量の空気が残るため、吸入気が肺胞内のすべての空気と入れ替わるわけではありません。

また体内組織で産生された二酸化炭素などにも影響され、肺胞気のPO2は約100Torrとなります(図の①)。

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