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【連載】フィジカルアセスメント症状別編

【知覚障害の看護】知覚障害とは?原因と緊急性の判断

解説 山内豊明

名古屋大学大学院医学系研究科 教授 医学博士/看護学博士/医師/看護師/保健師/米国・登録看護師、診療看護師

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刺激をキャッチするのが知覚ですが、刺激を感じるということは、危険を回避する機能が働いているともいえます。
今回はそんな危険から身を守る機能も担っている身体センサーについて考えてみましょう。


【目次】

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まずは、これを考えよう!

知覚障害とは?

知覚は身体を守るための大切な機能

身体センサーともいえる感覚には、表在知覚や深部知覚などがあります。ここでは表在感覚を取り上げることにします。
光や音、温度などの外部からの刺激や、疼痛など体内から受ける刺激、こうした刺激を適切に感知できない状態が知覚障害です。症状には、刺激に対し異常に強く感じる「知覚過敏」、逆に感覚が鈍くなる「知覚鈍麻」、そして刺激が無いのに痛みやしびれを感じる「異常知覚」があります。
ここで、私たちの身体が刺激を感じる知覚の仕組みを思い出してみましょう。刺激を身体表面や内部の感覚受容器で情報として受け取る→情報を電気信号に変えて大脳皮質の感覚中枢に伝達する→感覚中枢で刺激の性質や形態など、情報の中身を分析する、このような手順を踏んではじめて熱いとか冷たいとか痛いということを感じる仕組みになっているのです。

例えば、熱い鍋に触れて、瞬時に「アチチ」と手を引っ込める、という経験をしたことがあるでしょう。これは、「熱い」という外からの刺激を身体表面の感覚受容器すなわち皮膚が感知し、それが情報として末梢神経や脊髄を通って大脳皮質の感覚中枢に伝えられ、情報が大脳で分析されます。

こうして「アチチ」という「熱い」感覚をキャッチすると、この情報を基に大脳皮質から「危険だからすぐに鍋から手を離せ」という命令がフィードバックされ、手を引っ込める行動につながるというわけなのです。

このように身体の安全を守るためにも、知覚という機能は大切です。では、なぜ身体の感覚が正常に働かないのでしょうか?
そこには、さまざまな原因や疾患が潜んでいると考えられます。

知覚障害の原因

患者さんに知覚障害がある場合、刺激が情報として脳に送られるその伝達経路、あるいは脳そのものに障害が起こっていると考えられます。
これをアセスメントの出発点として、緊急性や原因疾患として精査すべきリストを整理すると次のようになります(表)。

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