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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第5回 その人らしい療養生活を送るには

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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500円で健康診査が受けられる「ワンコイン健診」で注目を浴びるケアプロ。同社が、3.11の被災地支援の経験から必要性を痛感して立ち上げた、訪問看護ステーションの奮闘記を連載します。第1章は「訪問看護起業前夜」です。


在宅医療や終末期医療はどうあるべきか

ケアプロは、これまで紹介させていただいた事例でも言えることだが、治療に頼るのではなく、その人らしい生活を重視した医療が大切であると考えている。

厚生労働省によると2009年の1年間で、最も多かった国内の死亡場所は医療機関で81%、自宅での死亡は12%にすぎないとされている。だが、2008年の調査では、一般国民の63%が終末期の自宅療養を望むと回答している。希望通り、63%の人々が自宅で、少なくとも介護施設で終末期を迎えれば、多少の介護費用の増加を見込んでも、老人医療費が大幅に減る。

厚生労働省の発表によると、2010年度医療費総額は36兆6000億円で、前年度より1兆4000億円増加しているが、70歳以上の高齢者の医療費が16兆2000億円と大きな割合を占めている。また、統計によって異なるが、国民一人が一生に使う医療費の約半分が、死の直前2か月に使われるという報告がある。

高齢者の医療費が高い理由は、人工呼吸器をつけたり、胃ろうをつけたりする延命治療の影響が大きい。胃ろうは、胃に穴をあけ、そこから栄養を補給する方法で、1990年代後半から日本でも急速に広まり、2012年現在国内の患者数は40万人以上にも上る(胃ろうの医療費は、一人当たり月30万円程度で、約40万人いるため、月に約1200億円)

それぞれが納得した終末期をめざして

もちろん、先端医療によって1秒でも生き続けたい人もいるが、そのことも含めて、自分が納得した終末期を送っていただきたい。しかし、認知症や脳血管障害などで意向を確認できない意識レベルになってしまってからでは選択できないし、残された家族は本人に手厚い医療を受けさせる傾向にある。そのため、意識のあるときに、どのような終末期医療を受けるのか、本人及び家族の意向を確認して、選択を支援することが大切である。

ケアプロの看護師も、病院から退院される方やそのご家族と終末期の医療について、急変が起きても自宅で看取るのか、それとも、病院に戻って治療をしたいのかを確認している。そして、急変が起きても自宅で看取る選択を実現するためにも、24時間365日対応の訪問看護が必須なのである。

※次回は、川添さんが感じる日本の訪問看護の問題について、水曜日配信です!

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