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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第8回 72時間で事業計画書作成!?

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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72時間で事業計画を立てろと命令された平間看護師。エクセルさえ使いこなせないなか、あらゆる手段を使って、訪問看護ステーションの立ち上げに奔走していった。その情熱に彼を突き動かしたものは、やはり被災地支援での経験だった。そうしてケアプロの訪問看護ステーション準備室が稼働し始めた。


売上?原価?販売管理費って?

今、平間からその頃の話を聞いてみると、「社長から、訪問看護の事業計画を作成しろと言われた時は、事業計画って何??といった状態だったので、かなりつらかったですね」と言う。少し厳密に言うと、私からの要求は、「売り上げ・原価・販売管理費・利益に関する計画書の作成」であった。 ただ、そのときの平間には、それらの言葉の意味がわからなかった。しかし、72時間で作成しろという命令が下された以上、前に進むしかない。

平間はとりあえずエクセルを開いた。しかし、エクセルの使い方さえよくわからない。ひとつひとつネットで調べながらの作業の繰り返しだったという。事業計画を作る中で、利用者がどの程度のスピードで伸びていくのか、また、お亡くなりになられる方や再入院される方などがどのくらいの割合で発生するのかを推計し、利用者数の変動を考え、さらに、地域でどのような疾患、介護度の利用者が多いのかを推計して、利用者一人あたりから得られる売上を考えることができた。

とにかく手探りでの前進

ただ、こうして立てた事業計画は、お金の計算という面も当然ありながら、必要なケアの量と質を推し測る上でも非常に重要であることを、平間は理解した。 また、事業所設立のための申請書類なども、どこで手に入れて、どうやって書くのかもわからなかった平間は、とにかく知っていそうなところに電話をかけていった。

本当に手探りでの前進であった。 例えば、会社として訪問看護を行う場合は、会社の定款という書類を変更して、法務局に変更登記申請をすることが必要であるという。そんな手続きの必要性が発覚すれば、「定款」を検索し、その変更方法を調べた。 そうやってどうにかこうにか、課題をクリアしていったのだった。人間はやろうと思えば何でもできるのだなと、平間を見ていて感じた。

しかも平間は昼間、ケアプロの予防医療事業部の仕事をこなしながら、訪問看護事業所の立ち上げ準備をしており、作業はいつも帰宅後になり、睡眠時間を削っていたそうだ。

僕たちを待っている人がいるから

なぜ彼はそこまでできたのだろう、そのエネルギーはどこから来ているのだろう。 平間はこう語っている。

「8か月に及ぶ東北の被災地での支援活動を通じて、行き場のない患者さんやその家族の苦悩をたくさん見てきた。あの光景は、今の日本の医療現場の縮図であると思う。自分たちはこうやって、医療や看護に関わる仕事をしている以上、現状を変えていく義務を負っているし、今、自分たちができることは、とにかく訪問看護ステーションの数を増やすこと。僕たちを待っている人が必ずいるという思いに支えられて頑張っている」

ケアプロの使命のひとつに「医療界の革命児たれ」という言葉がある。 その言葉を身をもって、実践している平間なのであった。

※次回は、川添流・人脈の作り方、月曜配信です。