【連載】悩みは成長のモト

第2回 コーチングが教えてくれたこと

取材 岩田佳織

三番町ごきげんクリニック アシスタントマネージャー

仕事に壁や悩みはつきもの。とはいえ、実際に壁や悩みにぶつかると、つまずいているのは自分だけなのではないか、こんなことで悩む自分はダメなのではと思ってしまいがち。このコーナーでは、仕事での壁や悩みを乗り越えて、力強く成長するナースのインタビューをご紹介します。


転機は思わぬところから

患者さんに関わるすべてのスタッフが、コーチングの資格を取得しているのが特徴の三番町ごきげんクリニック。同クリニックでアシスタントマネージャーを務める岩田佳織さんもその一人です。

同クリニックに勤務する前は、大阪で助産師として6年間働いていたという岩田さん。

「妊娠から出産、産褥期までトータルでサポートしたいと考えていましたが、患者さんとの関わりは断続的でした。勤務スケジュールによっては、妊娠期に全く関わりのない妊婦さんの出産に立ち会うことや、出産に立ち会っても、妊婦さんや赤ちゃんのその後の経過も確認できぬまま、退院してしまうこともありました。

そんな毎日に、助産師としての目標を見失ってしまったんです。さらに、夜勤が多くて健康管理が難しく、30歳を前にして、体調を崩してしまいました」

そんな岩田さんに、一度受診するようにと知人が紹介してくれたのが同クリニック。

原因のはっきりしない体調不良や栄養状態を分析するための検査データの読み方、健康を維持するための食生活の重要性や食べることの意味がわかり、目からウロコが落ちたそう。

「助産師勤務の頃、患者さんから栄養管理や生活習慣の改善方法など、健康維持に関する相談をよく受けました。でも、それに答えられるだけの十分な知識がなく、歯がゆい思いを何度も経験しました。その答えがこのクリニックにあり、ここなら自分がしたい勉強ができる、こういう職場で働きたいと感じました」

岩田さんの思いが届いたかのように、翌日、クリニックから「うちで看護師として働きませんか」と電話が。

「患者さんをトータルでサポートしたい」という強い思いを胸に、岩田さんは看護師として新たなスタートを切ります。

なぜ来なくなってしまったの?

クリニックで働き始めてすぐの頃は、患者さんと長く関われることがうれしくて仕方がなかったという岩田さん。

ところが、それも束の間。岩田さんと話していると楽しい、ほっとすると言ってくれた患者さんが、突然来なくなってしまうこともあり、随分悩んだと言います。

「当院は自由診療であり、病気の予防目的で通院される患者さんが多いです。特に緊急を要する場合でない限り、クリニックに来るのも来ないのも患者さん次第。

それでも、長く関わってきた患者さんが、来なくなってしまったのはなぜなのか。自分の関わり方に問題があったのではと悩みました」

岩田さんの写真

「栄養、運動、睡眠。この3つに気を付ければ、身体はもちろん、メンタルも強くなります」と岩田さん。

コーチングと出会って

そんな岩田さんの悩みを解消したのが、院長が導入を決めたコーチング。医療におけるコーチングとは、患者さんの習慣化された行動を変えて、セルフマネジメント能力を高めてもらう過程のこと。

コーチングのトレーニングを受けた直後から、これまでとは異なる視点で患者さんと関わることが必要だと気付いたと言います。

「例えば、健康のためにダイエットをしている患者さんがいるとします。この場合、『体重をコントロールする』というのは患者さんの目標で、取り組むのも患者さん自身。

今までは、患者さんが目標を達成できないと、『どうして痩せさせてあげられないのか』と、いつの間にか自分の問題となり、何とか解決しなくてはと思っていました。でも、コーチングを学ぶ中で、"自分の健康は自分でコントロールできる"、"未来の健康を自分でマネジメントする"という気持ちを患者さんに持ってもらうこと。そして、それを実践できるようにサポートするのが看護師の役割だと気付きました」

コーチングと出会ったことで、患者さんの可能性を信じ、これまで以上にまっすぐ向き合えるようになったと話す岩田さん。次なる大きな目標は、「看護師を元気にすること」だとか。

「私もそうでしたが、看護師は不規則な生活で栄養も睡眠時間も偏りがち。健康を維持するのがとても難しいんです。健康に携わっている人が、もっと健康であれば、心身共に余裕が生まれ、患者さんに対しても、さらに一歩踏み込んだケアができるはず。だからこそ、看護師を元気にしたいです」

新たな目標に向かって、岩田さんの挑戦は続きます。

コレが効いた!

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