【連載】なぜ? どうして? 22問でわかる 最新 感染対策

第1回 なぜ必要? 感染対策を行う2つの理由【前編】

監修 藤田昌久

日本医科大学付属病院 医療安全管理部 感染制御室 看護師長 感染管理認定看護師

執筆 藤田昌久

日本医科大学付属病院 医療安全管理部 感染制御室 看護師長 感染管理認定看護師

当たり前のように行うこととされている感染対策ですが、なぜ必要なのかを知っていますか。 知っているのと知らないのとでは、感染対策を行うことへの意識が違ってくるのではないでしょうか。 そこで、感染対策の解説に入る前に、まずはなぜ感染対策を行うのかを解説します。


理由1 安全な医療を提供するための一番の基本だから

なぜ、看護師が行うのか?

私が感染対策にかかわったのは1998年頃からです。
そして看護師が感染対策に積極的にかかわるようになったのは、2000年に日本看護協会看護研修学校に感染管理認定看護師の学科ができたころからであり、特に機運が向上してきたようです。
それまでは感染対策の知識をもった医師を中心として、対応していることが多かったものが、感染防止にかかわるケアや管理の現場をより知りつくした看護師が行っていくことも有用、という流れになってきたからです。

院内感染は増えた?

感染管理認定看護師が誕生したころから、院内感染の報道をよく耳にするようになりました。
それは病院の感染管理がそれまでよりも悪くなったというより、感染管理に対する意識が高まり、病院としての対応の一つとして事実の公開がなされているからだと考えられます。
報告件数が増える中で、やはり正しい管理をしなければいけない、個人個人の努力ではなく、組織自体が患者さんの安心・安全な医療のために、医療安全と同じく感染対策管理を行おうという方向になっていきました。

知っておきたい感染対策にかかわる法改正

06年6月に医療法の一部が改正され、07年4月の施行より医療施設での感染対策がなされるべき義務とされました(下記「memo1」)。
こうした流れにより、感染対策は医療を行う前提として不可欠な対応と位置づけられています。

memo1 知っておきたい医療施設に関する法律“医療法”

1948年に施行された法律で、病院や診療所などの管理や整備の方法について規定している法律です。
06年に改正された、第6条10では「病院、診療所又は助産所の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の該当病院、診療所又は助産所における医療の安全を確保するための措置を講じなければならない」と定められました。
医療施設における感染制御体制を確保することを義務づけられ、各医療施設は感染制御の指針の作成が必要となり、定期的な見直しや更新を行うことが求められています。

次回は、2つ目の理由について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年1月号より転載)

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