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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第33回 年越しを家で迎えたい・・・

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

Houkan

今回紹介する利用者さまは、連日の訪問が必要なY様。Y様の「家に帰りたい」という希望に応えるなかでみえてきた、看護師の使命とは?

365日営業の強みを活かして

ある日、地域の中核病院からケアプロへ電話を頂いた。「退院を検討している患者様がいらっしゃるのですが、自宅に帰るには、看護師に連日訪問してもらわないと難しい状態です。ケアプロは休日にも訪問してくれると聞きましたが本当でしょうか」

本当である。ケアプロは365日営業を強みにしていることを、再度お伝えし、退院調整にお伺いした。

本人の希望を最優先

Y様は、80代の女性で、ASO(閉塞性動脈硬化症)にて、下肢の血流障害から壊疽を起こしており、既に足先は炭化している状態であった。連日、多種の消毒を行い包帯交換が必要なのである。本来であれば、感染を起こすリスクが非常に高く、治療として肢切断をしなければならない状況にあり、主治医から再三のインフォームドコンセントが行なわれていた。

しかし、彼女は、「肢を切るくらいなら、あたしゃ舌を噛んで死んでやる」と物騒なことを言って聞かないのである。既に入院期間は1年を経過。本人の強い希望もあり、病院と同様に処置をすることを条件に自宅へ戻ることになった。病院にて必要物品・手技の確認を細かく打ち合わせ、すぐに退院された。暑い夏のことであった。

「先生からは、1か月くらいで病院に戻ることになるかも、と言われたのよ。でも、年越しを家でするのが目標だわ。もう病院には戻りたくないのよ」

看護師がいれば家に帰れる

もちろん、自宅にいることが最善であると言い切るべきではないが、本人が強くそう望むのであれば、それを支えるため、看護師もやる気が漲るというものである。目標は年越し。それをみんなの合言葉に、連日包交を行い、月日は過ぎていった。

今でもY様はご自宅で暮らされている。年越どころか、1年周ってまた暑い日を迎えつつある。今も連日包交のためにお伺いしており、今の目標はお盆を越すことだ。「世の中はあなたたちみたいなのを必要としてるわよ。命の恩人だよ。あたしゃ感謝してるよ」

家に帰るためには看護師が必要である。言い換えれば、看護師がいれば、家に帰れる。シンプルだが、とても大切なことであり、我々の使命だとケアプロは捉えている。

Y様を訪問中の新卒看護師・小瀬さんの写真

Y様を訪問中の新卒看護師・小瀬