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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第35回 訪問看護が利用者さんの宝物に!?

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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食道がん末期のS様を介護する奥様は、訪問看護時の点滴トラブルを期に、若い看護師が揃うケアプロに不信感を募らせていた……。前回に引き続き、S様とのエピソードをご紹介しよう。


ケアプロの熱い思いを伝える

「最近の若者は積極的に勉学をしない不真面目な人が多い」「夫の看護を頼む相手がこんな若造で大丈夫なんだろうか」――当時、奥様はこう不信感を抱いていたという。

その後に介入した看護師田川は、奥様とケアプロとの間にあるわだかまりを取り除くには、まずは24時間365日の訪問看護を実践するケアプロ創設の思いを、伝えるしかないと考えた。

若いからこそ夜間対応ができること、ベテラン訪問看護師に比べて知識や技術で劣る面を自覚し補う努力を怠らないでいること・・・。

そして、大学病院のICU看護師を辞めてまで訪問看護師を選んだのか、田川自身の思いも、時には語らせていただいたのだ。

次第に薄れてゆく不信感

「こんな若者もいるのね……」、少しずつお話をさせていただくうち、奥様の不信感が薄れていくようだった。

そんな時、S様の病態が急変した。もはや血管が脆くなり点滴の針が入らない。点滴用ポート造設が検討された時、ただただ不安に怯える奥様に、田川は独自でポート造設の資料を作り、ていねいに説明させていただいた。

結果として、奥様の判断でポート造設は行われなかったが、田川を頼ってくださる契機になったという。

多くの職種に支えられて

ついに寝たきりになったS様の最期をどう迎えるか、田川の呼びかけで看護サービス担当者会議が開かれた。田川は事前に奥様の訴えをじっくりと聴き、会議ではその思いを代弁した。

「さまざまな職種の人たちが集まって、夫の最善の看取りのために頑張ってくれている。私はこんなにたくさんの人たちに支えられている」、会議で話し合いを続ける担当者たちを見ながら、奥様はこう考えたそうだ。

そして、とうとう「24時間の介護は大変だけれど、皆がいるから頑張れるのよ」と、感謝の言葉をいただけるようになったのだ。

(次のページへ、つづく)