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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第36回 新卒訪問看護師、奮闘中!

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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今春、ケアプロには卒業したばかりの22歳の新人が入職した。先輩看護師の同行訪問を経験し、単独訪問も任されるようになった小瀬の働きぶりを2回に分けてご紹介する。


いざ、初の単独訪問へ!

4月に入職した新卒訪問看護師小瀬は、みずからがモデルとなる「教育プログラム」を段階的に実践し、訪問看護師としての経験を重ねている。

先輩のケアを見て覚える「同行見学」、先輩の見守りでケアを行う「同行実施」、そして1人で訪問し1人でケアを行う「単独訪問」へと進んでいく。入職して約3か月の小瀬だが、初めて単独訪問を任されることになった。

一人暮らしの80代女性A様は、糖尿病を患い入退院を繰り返している。生活保護を受給しているA様は、退院後に施設への入所が決まっており、入所までの数日間は在宅看護が必要となり、その最終日に小瀬が訪問することとなった。

訪問時にすべきことは、A様宅の玄関前に届けられた配食のお弁当を持って家の中に入り、健康チェックをし、認知症のために忘れてしまうインスリン注射ができているかを介助して、低血糖になっていないことを確認して帰る――。

病状は安定しているし、訪問看護の中では難しいケアが求められている訳ではない。

繰り返されるシュミレーション

いよいよ「初の単独訪問」当日。小瀬は気負っていて、訪問時間は13時にもかかわらず、8時に事務所に到着したのだ。

「A様宅に着いて、具合が悪かったらどうしよう!?」、こう考え出したら、心配事があれもこれも浮かんで、頭がいっぱいになってしまった。「低血糖だったらどうするか」「便秘気味だったけれど、排便介助が必要だろうか」……。

小瀬は雑務をこなしながら、「具合が悪い時の原因は何が考えられるか」「その原因に対して、どう対応するか」などと、かれこれ5時間にわたりシミュレーションを繰り返すことになる。

A様宅は事務所から徒歩で10分ほどの所にある。なのに30分前には事務所を出発したものだから、20分前にA様宅に到着してしまった。約束の時間まで、不審者の如くうろうろするばかりの小瀬。頭の中は、リスクを想定したシミュレーションが繰り返されている。

小瀬さんの写真