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【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第46回 見て聞いて触れてみたオランダの訪問看護

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

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オランダで2006年にスタートした訪問看護ステーション「Buurtzorg」。わずか7年でスタッフ数約6,000人、利用者数は年間約5万人と急成長を遂げている。その理由を確かめるために、代表・川添は同社のアムステルダムのあるステーションを訪れた。


オランダの訪問看護事情を体感する

日本ではなかなか増えない訪問看護ステーション。なぜ増えないのか、増やすためにはどう取り組むべきか、常に問題意識を抱えていた私は、ヒントを探しに訪問看護に同行することにした。

スタッフたちは利用者宅でどう働いているのか、利用者はどんな様子なのか、まず見て聞いて触れ合うことが基本だ。

同行したのはアレキサンダーという男性看護師。「Buurtzorg」のロゴ入りジャンパーと可愛い自転車を借りて利用者のお宅へ向かった。

今日の訪問先は4件。最初に、腎不全を患う90代の元聖職者Aさんを訪問した。独り暮らしのAさんは、意識はとてもクリアで、自宅でゆったりと過ごしている。

自宅内の手すりに掴まりながらの歩行、簡単な調理、排泄は自力でできる。だが、細かい着替えやシャワー浴は介助が必要だ。そのため、毎日の訪問は清潔ケアが中心に行われている。

訪問看護師は、家族に代わる大切な存在

Aさん宅へ到着すると、鍵を預かっているアレキサンダーは郵便物をとって家の中に入って行った。アレキサンダーの訪問を待ちかねていたAさんに、彼は肩に触れてやさしく言葉をかけている。

利用者宅での滞在中、じつに頻繁にタッチングをしていることに気がついた。清拭やシャワー浴、着替えなどを手際よく行っていくが、ケアや処置を時間内に「こなす」「収める」というよりも、まるで知り合いのおじいちゃんの家に来て、談笑しながらのんびりとお世話をしているような雰囲気だったのが印象的だ。

ケアをひと通り終えると、Aさんが淹れてくれたコーヒーでアレキサンダーと私もくつろいだ。アレキサンダーはやさしい目でAさんのお話をじっくりと聴いている。

高齢のAさんはアレキサンダーに死後の財産の処理を相談しているという。日本で訪問看護師に求められていることの違いを痛切に感じた。

Aさんの淹れてくれたコーヒーの写真

ケアを終えた後は、Aさんの淹れてくれたコーヒーを飲みながら談笑