お気に入りに登録

【連載】日本一若い!? 訪問看護師の挑戦

第10回 いよいよ開業!! 常識なんてぶっ壊せ

執筆 川添高志

ケアプロ株式会社・代表取締役社長

Ceqbjxq5w5qeqdqm1359525590icon carepro 16

「訪問看護は新人には無理」という、半ば常識化していた都市伝説を調査し直し、問題点を洗い出したケアプロ。スタッフ自らが訪問看護研修を受け、専属の事務員を置き、いよいよ開業への一歩を踏み出した。


看護業界の風雲児であるために

事業計画をも作成し、さあ!いよいよ発動!となった。 しかしその前に、訪問看護に関しては経験の浅い私や平間は、研修を受けなければならない。そこでまた活躍したのが、長年培ってきた人脈なのであった。

その人脈から、訪問ボランティアナースの会「キャンナス」代表・菅原由美さんの元で研修を受けられることになった。菅原さんと川添のつながりは、川添が大学生だった頃にまで遡る。大学時代、川添は菅原さんの元でインターンをしていたのだ。そもそも人脈の大切さを川添に教えたのも菅原さんであった。

訪問診療で有名な英先生や太田先生、川越先生など第一線で活躍する先生方と出会えたのも、非常に大きな財産となった。菅原さんも訪問看護業界の革命児的存在であり、全国に100万人はいると言われている「元ナース」の発掘に力を注いでいる。そして潜在ナースの看護力を地域社会に生かせる環境作りをしている方なのである。

新人には無理という都市伝説

ケアプロの訪問看護師達は、菅原さんのステーションでの研修を通して、改めて訪問看護の抱えている課題に直面することになった。現在、日本での訪問看護事業所の数は全国6,000か所。厚生労働省では平成19年までに9,000か所の突破を掲げていたにも関わらず、だ。

訪問看護が普及していかない理由のひとつは、とにかく看護師不足なのである。なぜ、訪問看護師が不足しているのか。それは看護業界の都市伝説のようなもので、「訪問看護は新卒には無理」という考え方があるのであった。

このような考えが浸透しているために、就職先の選択肢に訪問看護を含める新卒者は少なく、看護師が増えないのである。その常識を変えるためにはどうしたらいいのか。

興味がないわけではないのに

なぜ新卒が入ることができないのかを調査したところ、本質的な理由は、

「新卒が入っても教えるための教育マニュアルがない」

「教育マニュアルを作ったとしても数か月間は1人で訪問できないので人件費分が赤字になる」

ということだった。

また、新卒に、訪問看護に興味があるかどうか調査したところ、興味がないわけではなかった。訪問看護に行く学生が10%でもいれば、毎年約3,000人であり、訪問看護業界全体は約30,000人のため一気に10%も増える。であれば、マニュアルをしっかり作り、赤字期間を補填できる資金を確保すればいいだけではないか。

また、訪問看護が普及していかない他の原因として、訪問看護ステーションは潰れやすいことが挙げられる。これも常識化しているが、黒字化できなかった赤字のステーションは小規模経営のところが多く、人件費削減のために看護師が事務的なことまでやらなければならない。すると訪問件数が伸び悩み、売上は頭打ちになり、自転車操業状態になってしまう傾向にあるのだ。

そこで、ケアプロ訪問看護ステーションでは、経営が軌道に乗る以前から、事務専門のスタッフを雇うことで、看護師が訪問に専念できる環境作りを行ったのである。初めは赤字であっても、組織の成長と事業成長のスピードを上げていくことで、経営を安定化していけばよいと考えたのであった。

こうして、今までの常識とは違うやり方で、我々は、ケアプロ訪問看護ステーションの土台をつくっていった。

※次回は、ケアプロ訪問看護ステーションの働き方について、月曜配信です。

ページトップへ