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【連載】その手技にはワケがある!

合併症を予防する口腔ケア

監修 今城直実

東邦大学大学院 医学研究科看護学専攻 修士課程

監修 野崎真奈美

東邦大学看護学部 基礎看護学研究室 教授

普段行っているさまざまなケアにも根拠があります。
その根拠を知ることは、安全に安楽に実施することにつながります。
わかったつもりだったこと、今まであまり気にしていなかったことを再確認して、1段上のベッドサイドケアにつなげましょう!
第1回は口腔ケア。ついルーチンになりがちですが、誤嚥性肺炎など合併症を防ぐために注目のケアです。


口腔ケアのリスクを理解しよう!

口腔ケアは日常生活ケアの代表格ですが、意義を認識しないままルーチンになりがちです。
しかし、ケア内容や結果が、患者さんの病態の悪化や合併症を引き起こし、時には生命にまで影響を与えることもあるのです。
中でも、誤嚥(特に摂食障害を有する場合)には注意が必要です。誤嚥がもたらすリスクには、誤嚥性肺炎窒息があります。
まずは、口腔ケアにおける正しい体位調整や手技を実践することで、誤嚥予防に努めなければなりません。その上で、嚥下障害の改善を考えていく必要があります。
機能回復訓練は耳鼻科や口腔外科の専門の医師やSTなどの専門職と相談しながら行いますが、マッサージなど日常の口腔ケアの中で実施できることも少なくありません。
一方、口腔内のウイルスや細菌を含む唾液を誤嚥することで起こる誤嚥性肺炎を防ぐためには、誤嚥を防止するだけでなく、口腔内をできるだけ清潔に保つことが大切です。
高齢、ADLが低下、抗がん剤治療中などの患者さんについては、常在菌の均衡が狂ったり、唾液による自浄作用が低下したり、合併症・副作用による影響が生じがちなので、特に注意が必要です。

安全な口腔ケアの根拠を知ろう!

ケア1 嚥下障害のある患者さんは、頭部をやや前屈させる

嚥下障害がある場合、誤嚥には細心の注意を払うことが求められます。
床上で食事を取る場合には、患者さんの身体を垂直近くまで起こして座位にするのではなく、仰臥位のまま30度程度ヘッドアップし、さらに枕などで頭部をやや前屈させる姿勢が適しているといわれます。

床上で食事を取る際の姿勢説明イラスト

これは、喉の角度が関連しており、嚥下反射が遅れた場合でも、重力が作用するため、噛み砕いた食べ物の塊が後ろ側の咽頭壁を伝うように送り込まれ、誤嚥になりにくくなるのです。
この場合、重力が舌の動きを補うことにもつながります。

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