【連載】その手技にはワケがある!

膀胱留置カテーテル 交換・抜去の注意点

監修 野崎真奈美

東邦大学看護学部 基礎看護学研究室 教授

監修 今城直実

東邦大学大学院 医学研究科看護学専攻 修士課程

膀胱留置カテーテルのポイント2回目は、交換・抜去の注意点を解説します。


膀胱留置カテーテル 交換の頻度

カテーテルと蓄尿バッグの交換は状態に応じて行う

かつて、膀胱留置カテーテルは1週間あるいは2週間ごとに定期的に交換することが推奨され、実践されていました。

しかし現在では、カテーテル交換が微生物の新たな侵入の機会となり、むしろ感染のリスクが高くなることがわかってきました。
CDCのガイドラインでも、「膀胱(尿道)留置カテーテルとそれにつながる回路(接続チューブや蓄尿バック)は、定期的な交換をすべきではなく、回路汚染や感染徴候が確認された場合に適宜交換すべきである」と勧告しています。

使用期限ではなく、患者さんの免疫力の状態や尿の性状をよく観察し、状況に応じて適切な時期に交換することが大切です。

膀胱留置カテーテル 抜去の注意点

カテーテルは下腹部を圧迫せず流出を確認しながら抜く

導尿後カテーテルを抜去する際に、尿が膀胱内に残らないようにと、下腹部を圧迫してはいけません。
カテーテルを留置したまま腹部を圧迫すると、膀胱内をカテーテルの先端で傷付けてしまう恐れがあります。
カテーテルを抜去するときは、尿の流出が止まったらすぐに抜くのではなく、少しずつ引きながら尿が出るところを探します。

尿がまだ出るようであれば、カテーテルを止めて、尿を出し切るようにします。
ただし、膀胱を摘出して代用膀胱を使用している患者さんには当てはまりません。代用膀胱は縮まないので、尿を押し出すことができません。
そのため、抜去時だけでなく、尿を排出させるときにも下腹部を圧迫しながら導尿を行います。

導尿時のポイント

導尿を実施しても排尿がない場合

導尿を実施しても排尿がないケースとしては、

(1)膀胱に尿が溜まっていない
(2)カテーテルが膀胱に入っていても、先端が溜まっている尿まで到達していない
(3)カテーテルの挿入が深すぎて、先端が膀胱壁に当たってしまっている
(4)尿の沈殿物によってカテーテルが詰まっている
(5)挿入時に膀胱内を損傷させたことによる出血でカテーテルが詰まっている

などのことが考えられます。

(1)を防ぐためには、実施前に排尿間隔、尿意の有無、下腹部の膨隆を確かめ、尿が溜まっているかどうかをアセスメントすることが大切です。
また、(2)、(3)、(5)については、まず正しい手技の確認が重要になります。(4)、(5)の場合は、尿の性状をきちんと観察することが求められます。

バルーンを膨らませるときのポイント

バルーンを膨らませるときには滅菌蒸留水を注入する

カテーテルを挿入し、尿の流出が見られたら、シリンジでバルーンに水を注入して膨らませますが、使用するのは、生理食塩水ではなく必ず滅菌蒸留水にします。
生理食塩水の場合、バルーン内部で食塩が析出し、結晶を作る恐れがあります。
そうすると、カテーテルが目詰まりを起こしてバルーンがしぼまなくなり、カテーテルが抜けなくなってしまいます。
万一、抜けない場合は、医師に連絡し、滅菌蒸留水を少量注入して、ポンピングを繰り返しながら目詰まりを解除します。

次回からは採血の手技の根拠について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年8月号より転載)

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