第7回 肌の色が緑色に変わってしまいました……
- 公開日: 2013/10/13
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エンゼルケア(逝去時ケア)とは?目的・手順など
家族の意向に寄り添って最期のお別れの場面を創出する「エンゼルケア」が、多くの病院や施設で実践されるようになってきています。よりよい死後ケアにつなげるにはどうすればよいのか、よくある疑問・悩みについて、エンゼルメイク研究会代表:小林光恵さんに話を伺いました。
――黄疸の方への対処法について、質問が多いとお聞きしました。亡くなった後に、なにか特徴的な変化があるんですか。
小林光恵さん(以下、敬称略) 必ずといっていいぐらい、肌の色が変化します。
――どんな色になるんでしょう。
小林 薄い緑色になります。それも、どの肌も一様に変化するのではなく、たとえば、お顔であれば、眉毛はほとんどなかったのに、眉毛が浮き出たように色が変化したり、髭やうぶ毛を剃った口の周りが、わっかのように浮き出てきたりもします。
――部位によって変化に差があるんですね。
小林 それも、亡くなってすぐではなく、死後24時間から36時間ほど経ったころ、つまり、病院でしたら退院し家に戻られてから肌色が変化するので、ご家族がびっくりなさいます。また、死後36時間から48時間ほどたつと、今度は、緑色に灰色も混じったような色に変わっていきます。
――色の変化が一様ではないうえに、時間が経ってから出る……。
小林 ですから、黄疸の出ている方のメイクをする場合は、そういったことを知識としてもっておくことが大事になってきます。また、ご家族に、時間の経過とともに肌色の変化があるであろうことをお伝えするのも大事です。
――肌色が変わるのは、お顔だけですか。
小林 いいえ、黄疸は全身に出るものですから、全身の肌色が変化します。肌色の変化は、おもに、黄疸をもたらしているビリルビン色素の酸化によって生じるようです。ただし、メイクでカバーするのは、衣服を着ても見える部分だけでもいいと思います。
――衣服を着ても見える部分というと……。
小林 人目に触れる可能性がある部分、お顔、耳、首、手などですね。
――どんな色のファンデーションでカバーするのがいいのでしょうか。
小林 黄色です。できれば真っ黄色のファンデーションを使うと、自然にカバーできます。黄色のファンデーションを下地に塗って、その上に肌色のファンデーションを重ねるか、肌色のファンデーションに黄色いファンデーションを混ぜて全体になじませるという方法でもいいでしょう。
――真っ黄色のファンデーションですか……。
小林 そうなんです。普段、私たちがカバーメイクに使ったりする黄色のファンデーションは、薄いクリーム色が多いのですが、それではカバーしきれません。さらに、黄疸によって、肌は黄色にとどまらず濃い土色のようになっている場合もあります。そういう方の場合は、濃いオレンジ色のファンデーションを、黄色のファンデーションと同じく、下地か肌色と混ぜて使うといいのです。
――真っ黄色にしても、濃いオレンジにしても、そういう色のファンデーションは、ドラッグストアや街の化粧品店では見かけないですよね。
小林 エンゼルメイク研究会が企画・監修したエンゼルメイクセットには、どちらの色も入れてあるので、それをお使いいただくとスムーズに対応できると思いますが、そのセットの導入が難しい場合は、手に入る範囲でできるだけ近いものを選んでいただくようにアドバイスしています。
――どうやって選べばいいんですか。
小林 売られている状態、つまりパレットに固まっている時点では濃く見えても、実際つけてみると薄づきという場合もあるので、売り場にサンプルがあれば、試しにいろいろ肌に塗ってみることをおすすめします。そのなかで、いちばん黄色やオレンジ色が肌にしっかりつくものを選んでください。
エンゼルメイクセットの提供元であるマーシュ・フィールド株式会社のホームページなども参考になるかもしれません。
※本記事は、株式会社医学書院のWEBマガジン「かんかん!」の連載記事をもとに再構成したものです。
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