【連載】エンゼルケアQ&A

第8回 ファンデーションはどういうタイプがいいのですか

監修 小林光恵

「エンゼルメイク研究会」「看護に美容ケアをいかす会」代表


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 家族の意向に寄り添って最期のお別れの場面を創出する「エンゼルケア」が、多くの病院や施設で実践されるようになってきています。よりよい死後ケアにつなげるにはどうすればよいのか、よくある疑問・悩みについて、エンゼルメイク研究会代表:小林光恵さんに話を伺いました。

――エンゼルメイクをする際は、どういうファンデーションを使えばよいのでしょうか。

 小林光恵さん(以下、敬称略) ご遺体はとても乾燥しますので、ファンデーションのなかでも乾燥防止になりカバー力もあるクリームタイプをおすすめしています。

――使い勝手を考えると、リキッドファンデーションやパウダリーファンデーションのほうが手軽な感じがするのですが、なぜ、クリームファンデーションがいいのですか。

 小林 油分の量がポイントです。皮膚表面に油膜をつくり、できるだけ乾燥しないようにするわけです。クリームタイプの次に油分が多いのがリキッドファンデーションですが、最近では油分が多いものから、全く入っていないオイルフリータイプもありますので、もし使う場合には、チェックしたほうがいいです。

 パウダリーファンデーションは、油分がほとんど入ってないので乾燥防止にならず、場合によっては乾燥を助長してしまい不適格といえます。ただ、しっかり下地をしてクリームファンデーションを塗った上に、油分の多いリキッドファンデーションを重ねるとしっとりしたり、クリームファンデーションの上に化粧くずれしないように、パウダーの変わりにパウダーファンデーションを使ったりはします。

――クリームファンデーションは、リキッドやパウダリーに比べると使い方が難しい気がしますが、上手な使い方を教えてください。

 小林 みんなよくやってしまうのが、クリームファンデーションをいきなり顔の四か所にわけてのせてしまう方法です。

――えっ!? ダメなんですか……。

 小林 ご遺体の皮膚はとてもデリケートになっているので、のばすときに皮膚に負担がかかるこの方法はオススメできません。また、塗りムラもできやすいです。

――じゃあ、どうすればいいんでしょう。

 小林 基本的に、クリームファンデーションは含まれている油分によって固まりやすいんです。固まった状態そのままでは塗りにくいので、自分の手の甲に米粒大くらいとり、”てり”が出るくらい指でよく練って油分を溶かし、十分に軟らかくします。それからつけてください。

――肌になじみやすい状態にしてからのせる、ということですね。

 小林 そうですね、肌の上に均等にのせていくやり方がよいと思います。もし、肌にのせたファンデーションを伸ばす場合は、長い距離をのばすと皮膚に負担がかかりますし、ムラになりやすいですから、ほんのちょっと短い距離をのばすような手つきで行うといいです。

――在宅でエンゼルメイクをする場合は、患者さんの使っていた道具でやればいいですよね?

 小林 生前に使われていたものですから、その方がその人らしいものが揃っている点ではいいのですが、それはあくまでも元気なときに使っていたものですよね。

 ファンデーションも、リキッドやパウダリーである場合が多いので、ご遺体にとって大事な乾燥防止や、肌の変化をカバーできないので、クレンジングマッサージクリームやファンデーションなどは、エンゼルメイク用のものを準備しておいたほうがいいと思います。

――ファンデーションは、何でつけるのがいいでしょうか。

 小林 スポンジでも手でもいいですし、私がデモンストレーションを行うときは、海綿を使っています。いずれにしても、スタッフ同士で練習をしておくと、実際やるときに全然違います。

――たしかに、いきなり“本番”では緊張しますよね。

 小林 いきなり患者さんにやるのは、すごく難しいです。それに、自分のメイクが上手な人が、人にやるのも上手とは限らないんです。

――そうなんですか。

 小林 「自分にやるのとは、全然違った」という声はよく聞きますよ。練習をしてみると「こんなふうに違うんだ」という感覚もわかると思いますのでオススメです。

※本記事は、株式会社医学書院のWEBマガジン「かんかん!」の連載記事をもとに再構成したものです。
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