お気に入りに登録

【連載】看護に役立つ生理学

第22回 電解質―クロール

執筆 梵天ゆとり(ぼんてん・ゆとり)

医師、日本医学放射線学会会員

34a04225d91f38626c35c8f914746244 150x150

血清の電解質濃度を調べる際に、Na(ナトリウム)、K(カリウム)とともにセットで測定されるCl(クロール)濃度。皆さんはこのClについて、どれだけのことを知っているでしょうか? 

「いつも採血項目に入っているけれど、何のために測っているのかわからない」という人も多いでしょう。頻繁に話題にのぼる陽イオンの裏側で活躍する、Clを中心とした陰イオンの世界を覗いてみましょう。


細胞外液の主要イオンとしてのCl

体液にはプラスの電荷を持った陽イオン(カチオン)と、マイナスの電荷を持った陰イオン(アニオン)がほぼ同数存在して、電気的な中性を保っています。陽イオンも陰イオンも、いくつもの種類からなっており、細胞の内外でその組成が大きく異なります(図1)。

細胞外液と細胞内液のイオン組成解説イラスト

図1 細胞外液と細胞内液のイオン組成

通常の採血検査で測定されるのは血漿、つまり細胞外液の一種であり、「私たちの体は食塩水のようなもの」などと一般に言われるときは、この細胞外液を指しています。食塩(塩化ナトリウム)は、その名前や化学式(NaCl)が示すとおり、Na+(ナトリウムイオン)とCl-(クロールイオン)が結合したものです(図2)。

Clは食塩の「半分」を担う元素

図2 Clは食塩の「半分」を担う元素

>> 続きを読む
ページトップへ