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【連載】急変を見逃さないためのフィジカルアセスメント

酸素解離曲線とは?酸素解離曲線に沿った看護ケア

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酸素解離曲線とは

多くの看護理論のフィジカルアセスメントの最初には、「空気」「酸素化」と表現は異なりますが「体内に溶け込んでいる酸素飽和度」を理解することは、重要であるということです。
第2回目は、体内に溶け込んでいる酸素飽和度」を理解し、どのように看護ケアに活用するのかということをご紹介します。

最近は、学生時代に「酸素解離曲線」を学習している方も多くいらっしゃいます。
皆さんの中にも、「酸素解離曲線」をご存じの方、そうでない方いらっしゃると思いますので、再度基本からご説明します。

酸素解離曲線とは、酸素分圧と酸素飽和度の関係を示したものです。わかりやすく説明すると、動脈血液を検体とした時の酸素分圧(PaO2)と、パルスオキシメーターで測定している酸素飽和度(SaO2)の関係を示したものです。(図)

この図は、標準酸素解離曲線です。血液のpHが7.4、体温37度、動脈血二酸化炭素分圧40mmHgという条件を基準としています。

横軸に示している値は、動脈血液を検体とした時の酸素分圧(PaO2)で、縦軸に示している値は、パルスオキシメーターで測定している酸素飽和度(SaO2)ということです。 

ここで特に注目していただきたいのは、以下の3点です。

1) PaO2がおおよそ95mmHg以上の時、SaO2は、ほぼ100%に近い値である。
2) PaO2が100mmHg以上であっても、SaO2は変化がない。
3) PaO2が60mmHg以下となると、曲線のカーブは急激に下降する。

つまり、動脈血酸素分圧がおおよそ95mmHg以上であっても、体内に溶け込む酸素の量は100%以上にはならないということであり、逆に動脈血酸素分圧が60mmHg以下となると、坂を転げ落ちるように体内の酸素飽和度は低下するということです。

さらに、次の点にも注目してください。

4) SaO2が90%の時、PaO2は60mmHg。つまり酸素療法の適応値である。
5) SaO2が75%の時、PaO2が40mmHg。つまり静脈血の酸素分圧と同じ値である。

これらは、前述した「条件」の場合を参考にしていますが、この条件が変化すると酸素解離曲線も変わります。では次にこの条件が変化したときにどうなるか、見てみましょう。

【関連記事】
【酸素化の評価】PaO2が低い・高いときのアセスメントとケア

酸素解離曲線の偏移

実線で示してあるのが、標準酸素解離曲線で、右側にある点線を右方偏移、左側にある点線を左方偏移としています。

では、どのような条件で曲線が偏移するのでしょうか?
図の表を参照してください。

体温(Temp)が上昇、二酸化炭素分圧(CO2)が増加、pHが低下(アシドーシス)した場合は右方偏移となります。
逆に、体温(Temp)が低下、二酸化炭素分圧(CO2)が低下、pHが上昇(アルカローシス)した場合は左方偏移となります。

わかりやすく見るために、PaO2 60mmHgを見てください。

標準の実線では、SaO2は90%ですが、右方偏移している場合のSaO2は、約80%となっています。
これは、組織への酸素供給を補う必要があると身体が反応し、右方偏移することで血中の酸素飽和度が下がるということです。

逆に、左方偏移している場合のSaO2は、約100%となっています。
これは、組織への酸素供給を減らし、血中の酸素飽和度を上昇させようと身体が反応し、ヘモグロビンと酸素の結合を強化した結果、左方偏移することで組織への酸素供給を減らすということです。
左方偏移、右方偏移の見方は、やや難しいかもしれませんが、これを看護ケアに生かす方法があります。
詳細な説明は割愛しますが、考え方とケア方法についてご説明します。

【酸素療法のまとめ記事】
* 酸素療法とは?種類・目的・適応・看護

詳細な説明は割愛しますが、次ページで考え方とケア方法についてご説明します。>>