1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 老年看護
  5. 第7回 転倒・転落 在宅に向けての視点(いきいき転倒予防運動)

【連載】高齢者の機能低下をアセスメント

第7回 転倒・転落 在宅に向けての視点(いきいき転倒予防運動)

  • 公開日: 2012/10/23

これまで、転倒・転落に関して、なぜ起こるのか?、どうアセスメントしたらよいのかやケアの仕方などを解説してきました。
最後に在宅に移行する際にどのような視点をもって考えればいいのかを解説します。


個々の家庭環境に合わせたゴールを設定していますか?

入院時に家族構成やキーパーソンの存在を確認します。
そして患者さんの症状から寝たきりになりそうか、リハビリによりADLの回復が期待できるかなどを評価した上で、どのような状態であれば在宅での生活が可能かを家族に聞いていきます。
当センターでは、さらに患者さんがどのレベルまで回復可能かを医師、看護師、理学療法士などを交えて症例カンファレンスを行い、ゴールを設定しています。

身体状況に合わせた生活指導ができていますか?

転倒のリスクについては、まず患者さんの身体の状態を家族に理解してもらうために、実際に患者さんがリハビリを行っている様子を見てもらうようにします。

それによって患者さんがどの程度動けるか、ADLはどのレベルなのかを確認できるようになります。
次に、どのような場面で転倒を起こしやすいのかを説明し、転倒のリスクが高い場合は、たとえ室内であってもトイレには誰かが必ず付き添うこと、外出に際しても何か起こった場合に対応できるよう複数で出かけること、といった具体的な注意点について話をします。
入院前よりも身体機能やADLが低下していることもあるので、患者さんには日常生活のさまざまな場面に転倒のリスクがあります。
生活場面に応じた具体的な指導を行っていくことが、在宅支援での大きなポイントとなります。
また、デイサービスや訪問看護・介護などの社会資源に関しての情報を提供し、転倒リスクの問題がある場合には、在宅にかかわるケアマネジャーに対して看護師からサマリーを通じて情報提供をします。
必要に応じて担当のケアマネジャーや訪問看護師と、当センターの医師、看護師とで検討会を行い、退院調整をするようにしています。

いきいき転倒予防運動

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

トイレ誘導に関する看護計画|誤嚥性肺炎治療中の認知症のある患者さん

誤嚥性肺炎の治療中にトイレ誘導を行う認知症がある患者さんに関する看護計画  認知症は認知機能の低下に加えて活動性の低下や嚥下機能低下といった日常生活に支障をきたす症状も見られる疾患で、血管性、アルツハイマー型、レヴィー小体型、前頭側頭型といった原因があります。今回は認知症の

2023/12/22

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
6位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636