看護師の仕事に役立つ情報、技術が学べるサイト -スキルアップに役立つ情報をお届けします-

【連載】血液ガスの基礎知識とアセスメント

第7回 PaO2低下のときのケア

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

Gas0

患者さんの酸素化を評価する際には、PaO2とSaO2の数値を用いてアセスメントしていきます。前回のアセスメントのポイントを受けて、今回はPaO2が低い場合、つまり低酸素が疑われるときのケアのポイントを原因別に解説していきます。

ケアを行おう!

1 低換気状態になっている場合

まず、換気量を増やす必要があります。患者さんの意識レベルが低下していたら、まず気道を確保し、バックバルブマスクを使い用手的人工呼吸で、とりあえず換気をします。このとき、酸素が漏れないように、マスクを顔にグッと押しつけて行います。

この人工呼吸で患者さんの肺に空気を出し入れすることができるようになれば、単純に換気が低いだけの場合は、比較的早く回復します。さらに挿管が必要かどうかは状態を見ながら医師が判断することになります。
緊急性がない場合(意識レベルの低下が見られないときなど)は、NPPVを使用することもあります。

2 V/Qミスマッチが原因の場合

部分的な換気低下はフィジカルアセスメントで観察できる可能性があります。聴診器を用いて胸部をくまなく聴診し、正常ではない呼吸音が聴こえる場所がないかを探しましょう。初めて観察する患者さんでは、前回と比較することができないため評価は難しいといえます。正常呼吸音は非常に弱い音で、慣れない人が聴診すると「聴こえない」と誤解することもあります。聴診のトレーニングには時間をかけて、どのような音が正常ではないのか聴き分けられる力が必要です。
肺野の中で明らかに異常な音が聴こえる場合には、何らかの形でその部分の肺胞の換気が障害されている可能性が高いといえます。分泌物の問題であると考えられる場合(分泌物が気管支に詰まっている、肺胞に分泌物が溜まっているなど)には、その部分が上になる体位(体位ドレナージ)を30分ほど行い、その姿勢で咳をしてもらうなどのケアで分泌物の除去ができる可能性があります。また、患者さんに意識がある場合には起きあがって力強い咳をしてもらうことも効果的です。

※次ページはシャントとガス交換障害が原因のケアについて解説します。