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【連載】血液ガスの基礎知識とアセスメント

第8回 PaO2が高いときのアセスメントとケア

解説 南雲秀子

湘南厚木病院 看護師長/米国呼吸療法士(RRT) / 保健医療学修士(MHSc) 日本呼吸ケアネットワーク 理事

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患者さんの酸素化を評価する際には、PaO2とSaO2の数値を用いてアセスメントしていきます。今回は、PaO2が高いときのアセスメントとケアについて解説していきます。


アセスメントをしよう!

一般的に、動脈血の酸素化がよい場合はあまり問題になりません。PaO2の正常値は80~100torrで、更に酸素投与量を増やしたりすればどんどん高くなります。一方、SaO2の最高値は100%で、その後、どんなに酸素を投与しても変化はしません。

しかし、慢性呼吸不全の患者さんの場合、あるいはそのような病名でなくても安定期のPaCO2やHCO3-が異常に高い人については、高いPaO2は大きな問題となります。
通常、呼吸中枢はPaCO2が上昇するに伴い呼吸回数を増やして換気を促し、PHのバランスを保ちます。しかし、PaCO2が常に高い患者さんの場合は、PaCO2値での呼吸コントロールができなくなっているため、PaO2値で呼吸をコントロールしています。つまり、酸素が少ないから呼吸をする、という状態になっています。従って、PaO2値が必要以上に高くなると呼吸刺激が減少してしまい、最悪の場合には呼吸停止となってしまうのです。
慢性呼吸不全であるかどうか、その人の通常のPaCO2やHCO3-の値はどのくらいかを確認する必要があります。
SaO2が97%だとPaO2は100torrなので、SaO2が97%を超えたら注意が必要です。

PaO2は高いのに息苦しさを訴えるときは?

PaO2が高い=患者さんは良好な状態にあるということです。もし、酸素療法を受けているとしたら、むしろ必要以上の酸素を吸っている状態といえます。
ただ、中にはそれでも息苦しさを訴える患者さんもいます。その主な原因として考えられるのは、貧血、肺の膨らみ方、そして精神的理由です。私たちは、いくらSaO2やPaO2の値がよくても、その酸素が組織まで届かなかったり、息を吸ったり吐いたりに力が必要だったりすると息苦しさを感じることがあります。

※次ページはPaO2が高い場合のケアについて解説します。