1. トップ
  2. 看護記事
  3. 診療科から探す
  4. 循環器科
  5. 心電図
  6. 不整脈・心電図の異常
  7. 疾患で特徴的な波形(QSパターンや異常Q波、冠性T波、STの変化)

【連載】不整脈のモニタリング

疾患で特徴的な波形(QSパターンや異常Q波、冠性T波、STの変化)

  • 公開日: 2015/11/15

不整脈の原因は加齢のほかに、遺伝的な疾患や心疾患があります。こうした疾患の心電図では、特徴的な波形がよくみられます。
心電図では、波形の異常と不整脈が合わさった波形が描かれることもあるので、不整脈とともに波形の異常も把握しておきましょう。


急性心筋梗塞

急性心筋梗塞では、典型的な波形の異常を示します。また、経時的な波形の変化がみられます(図1)。特徴的なのは、心筋壊死を示すとされる異常Q波や冠性T波、STの変化です。また、12誘導の波形の異常から、梗塞した部位がわかります(下表)。ただし、梗塞のごく初期では、心電図はまだ正常を示すことがあります。また、心内膜下梗塞では異常Q波がみられないこともあります。

なお、心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患では、不整脈がみられやすく、場合によっては心室細動(VF)を起こすことがあり注意が必要です。

急性心筋梗塞のカテーテル治療後でも注意

急性心筋梗塞のカテーテル治療後、血流が再開しても、その後のリハビリなどで心室細動を起こした例があります。その場合、再梗塞や壊死心筋の破裂の可能性があります。特に心筋の破裂は、梗塞部位が小さいほど、正常な心筋範囲が大きいためにかえって壊死した心筋に負担がかかり、リスクが高まるようです。重症度の高くない心筋梗塞だからといって、軽視しないようにしましょう。

図1 急性心筋梗塞の心電図
急性心筋梗塞の心電図

表 12誘導の波形
12誘導の波形

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

不整脈(心房粗動)のある患者さんへの看護計画|カテーテルアブレーションを実施する患者さん

心房粗動でカテーテルアブレーションを実施するために入院した患者さんに対する看護計画  心房粗動とは心房で持続する規則的な電気刺激によって生じる不整脈で、そのままの状態が続くと心機能の低下リスクや、血栓が生じる可能性があり脳梗塞の発症リスクが高くなります。そのため薬物療法とし

2024/3/30

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
4位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
5位

SIRS(全身性炎症反応症候群)とは?基準は?

*この記事は2016年7月4日に更新しました。 SIRS(全身性炎症反応症候群)について解説します。 SIRS(全身性炎症反応症候群)とは? SIRS(全身性炎症反応...

250839
6位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
7位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636