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【連載】急がば学べ! 呼吸のしくみ

第5回 SaO2(SpO2)とPaO2の関係と正常値を知ろう

解説 宮川哲夫

昭和大学大学院 保健医療学研究科 呼吸ケア領域 教授

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ここでは、3つの図からSpO2が低下したときのアセスメントを学んでいきます。SpO2は身近な検査値であるため、ついルーチンのチェックになってはいないでしょうか。

数値の増減だけでなく、それがどのような意味を持つかを知ると、その後の対応が判断できるようになってきます。


酸素解離曲線が表すもの

酸素は、血液中に取り込まれ、ヘモグロビンと結合して運搬されます。すべてのヘモグロビンが酸素と結合すればSaO2は100%となり、これが最高値となります。

一方、PaO2は患者さんの年齢や疾患、病態によって変化するため、正常値は80 ~100Torrとされ、これに伴って、SaO2の正常値も95 ~ 98%となっています。

このようにSaO2の値、つまりヘモグロビンと酸素の結合率はPaO2によって決められます。ですから、酸素化を評価するためには、この両方を見ていかなければなりません。

(図)酸素解離曲線

酸素解離曲線(図)は、酸素飽和度(ここではSaO2とする) と酸素分圧(ここではPaO2とする)の関係を表したもので、PaO2が上昇するとSaO2もそれに合わせ上昇していることがわかります。

つまりSaO2が下がったときは、PaO2も下がっているということになり、SaO2とPaO2のいずれかの値を見ることで、もう一方の値を知ることができます。(※室内気吸入酸素濃度21%、pH7.40、PaCO2 40Torr、体温37℃の場合。条件に大きく差があるとあてはまらなくなります。)

次のページは「SaO2値とPaO2値の覚え方」について解説します。

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