お気に入りに登録

【連載】看護に役立つ生理学

第4回 酸素投与と呼吸生理

執筆 梵天ゆとり(ぼんてん・ゆとり)

医師、日本医学放射線学会会員

34a04225d91f38626c35c8f914746244 150x150

前編に続いて後編では、呼吸生理を理解するのに欠かせない気体の「量(個数)」・「濃さ」・「体積」について解説していきます。


気体の「量」・「濃さ」・「体積」

気体の量、すなわち「多い」とか「少ない」というのは、突き詰めれば、飛び交っている気体の粒(気体分子)の「個数」です。

これに対して、気体の体積というのは、容器の大きさを変えることによってどうにでもなりますから、体積だけ知らされても気体の量は全く分かりません

1Lにギュウギュウに詰め込んだ酸素は、希薄な2Lの酸素より量(個数)が多いかもしれないわけです。気体の量を知るためには、体積だけでなく、「濃さ」の情報が必要になります。

point1 気体の量(個数)=濃さ×体積

「量(個数)」・「濃さ」・「体積」、この三者を明確に区別することが、呼吸生理を理解する第一歩です。


気体の濃さを知る方法

では、気体の濃さを知るには、どうすればよいでしょうか。もちろん、気体分子の個数を直接数えることができれば理想的ですが、もっと楽な方法はないでしょうか?

そこで、こんな実験を考えてみましょう。濃さの分からない酸素を2Lの密閉容器に入れ、この容器を圧縮して1Lにしたとします。このとき、酸素はどこにも逃げず量は一定ですから、濃さは圧縮前の2倍になるはずです。と同時に、圧力も2倍になることが知られています(ボイルの法則)。もし体積を1/3に圧縮すれば、濃さも圧力も3倍になります。

このように、気体の濃さと圧力は、ともに「体積に反比例する」という便利な性質があるので、圧力を測ることによって濃さの指標とする(代用する)ことができるのです。

※続いては、point2~4について解説します。
>> 続きを読む